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果樹園で春の朝活! 可憐なりんごの花に触れる農作業体験
りんごが育つ最初の一歩「一輪摘花&受粉交配体験」に参加してきました

春の桜が終わっても、福島市内の果樹園はまだまだ花ざかり。さくらんぼ、りんごや梨の花が満開を迎え、畑一面にやさしい春色が広がっています。
そんな果樹園の美しい景色を楽しみながら農作業のお手伝いもできる、ちょっと特別な朝活イベントが開催されました!
今回は、福島市にあるマルショウ果樹園で行われた「りんごの一輪摘花&受粉交配体験」の様子をご紹介します。朝のさわやかな空気の中で作業に集中していると、心も体もスッと整うような、そんな特別な時間が過ごせました。
りんごが実るまでにはこんな手間が!
4月後半のりんご畑には、白くて可憐な花が一面に咲き誇っています。
その美しさに思わず見とれてしまいますが、実はこの花たちにはこれから大切な作業が待っているんです。
リンゴの花は、1か所にいくつもの花がぎゅっと集まって咲くのが特徴。
その中で、中央に咲く1輪だけを残し、まわりの花を摘み取る作業が「一輪摘花(いちりんてきか)」です。
密集したままだと受粉しづらく、良い実がつかないため、花を間引くことで確実に実をつける準備をしているのだそう。さらに、福島の主力品種「ふじ」は自分の花粉では実がならないため、別の品種の花粉を一輪ずつ人の手で受粉させていきます。
たくさん咲いた花の中から、たった一輪を選んで育てていく。1つのりんごが実るまでには、とても手間ひまがかかっているんですね。
花を摘み、花粉を運ぶ。りんご作りのお手伝い
今回もガイドをしてくれたのは、以前に桃の摘蕾作業でもお世話になった、マルショウ果樹園の佐藤さん。
たくさん咲いた花の中から、一番中心にある大きな花を見極めて、まわりの花をひとつずつ摘んでいきます。
かわいらしい花を摘んでしまうのは少し心苦しくもありますが、これも美味しいりんごに育てるため……。どんどん摘んでいきます。

摘花前

摘花後
摘花が終わったら、今度は受粉作業。
花粉をつけたふわふわの綿棒のような道具を使って、一輪ずつていねいに花に花粉をつけていきます。
今回は小さなお子さん連れのご家族も参加し、一緒に作業を楽しみました。「普段食べているりんごを自分で育てるお手伝いができた!」と、とても貴重な体験に大喜びの様子。
お子さんたちは、果物の花だけでなく果樹園に咲くいろいろな草花を観察したり、カブトムシの幼虫を見つけたりと、畑の春を満喫していました。
私たちが半日かけて進められたのは、畑のほんの一部だけ。これを畑全体で行うと思うと気が遠くなります……。
それでも毎年おいしいりんごを届けてくれる農家さんの努力に、改めて感謝の気持ちが湧いてきました。
かわいい花から、美味しいりんごへ
今回のお手伝いは、りんごができるまでの過程の中のほんの一部でしたが、とても貴重な体験となりました。
「しっかり作業できていないと、実がうまく育たないかもしれない」という責任感もあり、ドキドキしながらもひとつひとつていねいに作業を進めました。「この花が、秋には立派で美味しいりんごになりますように」そんな願いを込めて。
作業を終えると、りんごの木の下には、摘み取られた花たちがふわりふわりと広がっていました。
ジャスミンのような、やさしい香りがします。このまま落としてしまうのはもったいないほど愛らしいので、いくつかの花を分けていただき、お土産に持ち帰らせてもらいました。
部屋に飾ると、春の余韻をもうしばらく楽しむことができました。りんごの花の香りなんて、体験しなければ知らないままだったかもしれませんね。
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福島市観光コンベンション協会では、不定期ではありますが、今後もこうした農作業体験イベントを企画・募集していく予定です。
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果樹園に咲く春の花を楽しみながら、農業体験にも挑戦してみませんか?
きっと、新しい福島の魅力に出合えるはずです。