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信夫山が熱い! NHK「にっぽん百低山」で紹介されたコースを歩こう

どえらい歴史が秘められた、市街地の真ん中にポツンと鎮座する信仰の山

 

今年の夏にNHKの“にっぽん百低山”で取り上げられた、福島の中心部に横たわる標高275mの「信夫山(しのぶやま)」。市街地の真ん中にポツンと鎮座する山に、初めて見た方は驚くのではないでしょうか?

福島市民にとっては身近で当たり前な存在となっている信夫山ですが、実は歴史は古く、平安時代に書かれた伊勢物語にも信夫山の名前が出てくるのをご存知ですか?

遠く離れた都人にも知られていた信夫山には、どえらい歴史が秘められているのです。

今回は、信夫山研究会の「信夫山博士」こと浦部博(うらべひろし)さんに案内いただきながら、TVで放送されたコースを辿るとともに、信夫山の奥深い世界を伺ってきましたよ。

信夫山ってどんな山?

信夫山全景

しのぶ山 しのびて通ふ道もがな 人の心の奥も見るべく”と、伊勢物語にもその名が出てくる信夫山は、太古の昔、福島一帯がまだ大きな湖だった頃から、山岳信仰の山として人々から大切にされてきました。

そのため、今でも神社や妖怪、奇岩など、さまざまな伝説や不思議な話が語り継がれています。

地元の方も普段は「信夫山」と一括りに呼んでいるかと思いますが、実は中央の「羽黒山(はぐろさん)」、西の「羽山(はやま)」東の「熊野山(くまのさん)」さらにその北の「立石山(たついしやま)」と、東西2.7kmに広がる複数の峰から成り立っていて、それぞれの山頂には信仰の対象である神仏が祀られています。

信夫山は、私たちが考えているよりもっともっとすごい山なんですよ。それでは早速、ルートを辿っていきましょう!

スタートは北登拝口

“にっぽん百低山”で紹介していたコースは、2.5km 2時間のコースです。低山といえども、急勾配な場所や岩肌を登る場所も多いので、安全・快適に歩くためにも登山靴を履き出発しましょう!

スタートは、信夫山の北側にある北登拝路(きたとうはいろ)です。

少し分かりにくい場所にありますが「古峯神社(こぶがはらじんじゃ)」の鳥居が目印。
ここは古くから使われていた参道です。スタートからいきなりつづら折の急登。息が上がります!

古峯神社(こぶがはらじんじゃ)

10分ちょっと登ると見えてきたのは「古峯神社」です。なんと巨岩と巨岩の間にあり、迫力があります。そして神秘的。

災難よけの神、ことに火伏せの神様として、眼下に広がる地区の人々から信仰されてきたそうです。

巨岩群と立石山頂上

さらに進むと、またもや不思議な巨岩が。なんと岩に割れ目があります。

勇気を出して入ってみると、ここだけ時間がゆっくり流れているような不思議な感覚! 実はここ、女岩と呼ばれているそうで、中に入ると生まれ変わるという言い伝えがあるそうですよ。

女岩のすぐ上には、さらに大きな巨岩群がありました。

信夫山研究会の「信夫山博士」こと浦部博(うらべひろし)さん

この岩は「男岩」と呼ばれています。

そして、この男岩の横を登っていくと、思わず「お〜!」と声を上げたくなる絶景が。

ここが立石山の頂上で、吾妻連峰・福島市北部一帯はもちろん、晴れた日には伊達市一帯を手に取るように見渡すことができます。

江戸時代には物見台として使われていたそうです。

羽黒神社(はぐろじんじゃ)

立石山頂上から谷を越えて熊野山山頂を通り、西へ移動。
スタートから40分ちょっとで見えてきた大きな建物は、なんと1500年以上の歴史を誇る、羽黒神社です。

江戸時代までは「羽黒大権現(はぐろだいごんげん)」と呼ばれ、信夫・伊達一帯の総鎮守として人々の厚い信仰を集めてきました。

毎年2月に開催される信夫三山暁参りで、日本一の大わらじ(高さ12m、重さ2t)が奉納されることでも有名ですよね。

古墳時代の終わり、29代・欽明(きんめい)天皇(聖徳太子の祖父)の息子二人が、30代目の座を争っていました。敗れた兄の淳中太尊(ヌナカフトノミコト)と兄を応援していた石姫皇后(欽明天皇の妻)は、奈良の都から逃れ、信夫山に辿り着いたそうです。その後二人が亡くなると、皇太子を羽黒神社に、皇后を黒沼神社に祀ったとされています。

こうした話はあくまでも伝説ですが、裏付けるような痕跡も数多く残っています。

御神坂に並ぶ6つのお堂と、猫稲荷

羽黒神社の階段下から続く急坂(御神坂)の左右には、お堂がいくつもありました。

全部で6つあるそうで、実はこれ、皇太子についてきた6人の家来と皇后についてきた7人の家臣達が、供僧(神仏混合の神社で奉仕する僧)と宮人(神に仕える人)となり、六供(ろっく)と七宮人(しちぐうじん)として羽黒神社の側にお堂を建て、守ってきたといわれています。

そして1500年の時を超えた今でも、その子孫の末裔の方々がこの近辺に住み、お宮を大切に守り続けているそうで、近くにある石碑には第77代と書いてありました。

他にも西坂稲荷、通称『猫稲荷』と呼ばれているユニークな神社もありました。

稲荷といえば狐をイメージしますが、ここは“猫のような稲荷(狐)”の伝説があり、今では猫の幸せを祈願する方々が全国から集まるスポットにもなっています。

同じ敷地内には古民家を改装した休憩所「古民家西坂家」もあります。

中では軽食も提供していて、ホットケーキやラーメンなどが食べられます。

座禅岩

ここまでも巨岩群に出合ってきましたが、月山駐車場の近くを通ると見えてきたのが、これまた大きな椅子の形をした岩「座禅石」です。

なんと! その岩は、弘法大師(歴史の教科書とかに出てくる空海=真言宗の開祖)が座禅を組んで悟りを開いたといわれる岩で、山伏信仰の盛んな時代には何千といわれる山伏僧が座禅を組んで修行をした場所なんだそうです。

実はここ、信夫山のパワースポットの一つ! マイナスイオンの数値が高いんだとか。
実際に登って座ってみると、すごく落ち着く感覚がありました。

偶然か必然か。光の筋が〜

他にも信夫山には不思議な伝説の岩がたくさんあり、信夫山48石といわれる石たちが、いたるところに鎮座しているんですよ。

烏ヶ崎展望台

最後のスポットは、信夫山の西の端にあり、信夫山を代表する大展望台「烏ヶ崎(からすがさき)展望台」です。

ここからの景色は、本当に感動もの!

東に阿武隈川、南に福島の中心市街、西に広大な福島盆地、そして吾妻小富士と吾妻連峰と大パノラマが広がっています。

下山後は、名物の円盤餃子はいかが?

下山後は、たっぷり動いた体を労わるべく、福島市民から広く愛されているご当地グルメ「円盤餃子」! 見た目がまるで空飛ぶ円盤のようで、キツネ色にこんがりと焼けていて食欲をそそります。

番組では、吉田類さんが下山後のお楽しみとして円盤餃子の元祖「満腹」を訪れ、餃子と地酒を楽しんでいましたね。

山全体が聖なる山とされ、たくさんの神様が集まり、想像以上にどえらい歴史を秘めていた信夫山登山を振り返りながら、福島市民のソウルフードに舌鼓を打ってはいかがでしょうか。

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