掲載日
福島市に生まれたみんなの居場所「EV GARDENふくしま」
日常の合間に立ち寄れる まちの“チャージスポット”
2025年11月、福島市北町に誕生した「EV GARDEN(イーブイ ガーデン)ふくしま。
かつて福島日産自動車株式会社の販売店だった建物が、誰にでも開かれた商業・オフィス複合施設として生まれ変わりました。「どんな施設だろう?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、施設に込められた想いや過ごし方、そしてレストランの実食レポートをご紹介します。
目次
かつてディーラーだった場所が、まちに開かれた場所へ
「EV GARDENふくしま」設立の背景には、福島駅前を中心に再開発が進む市の中心部で、誰でもふらりと立ち寄って過ごせる場所が少なくなってきているという課題意識がありました。
そうした中、かつて福島日産の販売店だった建物を、新たに地域の人が自由に使える場所として生かしたいという思いからEV GARDENふくしまが誕生しました。
地域の人を中心に、観光や仕事の合間にも気軽に立ち寄れる、開かれた場所を目指しています。

また、この施設は平時の利用に加え、災害時の拠点としての機能も備えています。屋上には太陽光発電設備を設置し、日常的に蓄電を行うことで、有事の際にも館内で電力を確保できる設計です。
確保した電力を活用してレストランで温かい食事を提供するなど、状況に応じた支援が可能となっています。

EV車両は常時2車種・4~6台が常駐している
さらに、EV車両から建物へ電力を供給したり、電源車として地域に貸し出すなど、いざという時に地域を支えるエネルギーをチャージできる拠点としての役割も担っています。
食事も、仕事も、交流も。EV GARDENふくしまで過ごす時間

平日お昼時のレストランの様子
EV GARDENふくしまは、1階にレストランと多目的スペース、2階にオフィス・ワークスペースを備えた、商業・オフィス複合施設です。建物は、旧ディーラーの構造を生かしたガラス張りの明るい空間が特徴。大きな仕切りを設けず、視線が抜ける設計にすることで、同じ空間をさまざまな人が共有できるよう工夫されています。
1階は、食事や休憩、イベントなど、誰でも気軽に立ち寄れる開かれたフロア。レストラン「Tuttino Kitchen(トゥッティーノ キッチン)」に隣接するイベントスペースは、子ども食堂や学習支援、読み聞かせ会、防災・地域チャリティイベントなど、さまざまなイベントでの活用が想定されています。

絨毯敷きの「クリエイティブステップ」では靴を脱いでリラックス
階段状の「クリエイティブステップ」には電源を完備しており、スマートフォンの充電やちょっとしたPC作業、待ち時間の休憩など、空いていれば誰でも自由に利用できます。
座席正面にあるスクリーンへの投影も可能なため、セミナーや講演会、ワークショップ、発表会など、多様な使い方ができる空間です。実際に、サッカーやバスケットボールの試合を楽しむパブリックビューイングも行われ、たまたま食事や休憩で立ち寄った来館者がそのまま観戦に加わる場面も見られたそう。
新たな出会いや体験が生まれるなど、当初は想定していなかった使われ方も広がっています。

福島県を拠点とするプロバスケチーム「福島ファイヤーボンズ」の試合のパブリックビューイング
とても印象的なのが、施設内のさまざまな場所に設けられた書棚です。子どもたちが本に触れながら過ごせる場所にしたいという、株式会社EV GARDEN 代表の金子與志幸(かねこ よしゆき)さんの思いが、書棚づくりに込められています。
建物入口付近には福島に関する書籍、レストラン入口周辺には幼児向けの絵本、レストラン奥には食に関する書籍が並びます。また、クリエイティブステップの周囲には小学生向けの本、本社や別棟には中高生向けの本が置かれています。
子ども向けを中心にしながらも、大人が手に取って楽しめる本も意識して選ばれており、ジャンルや配置が工夫されています。

年齢を問わず手に取りやすい本が揃う

これらの書籍は、ふくしまの子どもたちの暮らしや教育環境の整備のために、2023年に創設された「フクニチャージこども基金」への寄附によって購入されたもの。今後も冊数を増やしていく予定です。

有料会員制の「ワークラウンジ」
2階には、企業や個人が仕事の拠点として利用できる、レンタルオフィスとワークラウンジがあります。
現在レンタルオフィスには、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギー事業を手がける企業「株式会社ソーラーポスト」が入居しており、今後も複数の企業が入居準備中とのこと。

入居企業・株式会社ソーラーポストのオフィススペース
レンタルオフィスの入居企業は、なんとEVシェアカーが月50時間まで乗り放題。業務での移動に加え、EV車を実際の仕事の中で使いながら、その利便性を体感できます。入居者同士の交流や、新たな取り組みが生まれる場としての役割も期待されています。
気軽に立ち寄れる“みんなのキッチン”「Tuttino Kitchen」
いよいよ、気になっていたレストラン「Tuttino Kitchen(トゥッティーノ キッチン)」へ。
「Tuttino」はイタリア語で「みんなの」を意味し、誰でも気軽に立ち寄れる「みんなのキッチン」をコンセプトにしています。ピザやパスタをはじめ、お肉料理やお魚料理、パニーニなど、県産食材を使った多彩なメニューが楽しめます。

明るく開放的な店内は、正午を過ぎるとすぐに満席に。マダム層やビジネスマン、女子会など客層はさまざまで、それぞれが思い思いの時間を過ごしていました。
受付はタッチパネル式で、注文はQRコード、支払いはセルフレジと、利用の流れもスムーズです。

パスタコース 1,680円(税込)
この日のランチでいただいたのは、人気のパスタコース。今月のパスタ「鶏肉と舞茸のボスカイオーラ」を選びました。
ボスカイオーラは、きのこや香味野菜を使った「木こり風」を意味するイタリアの家庭料理で、トマトクリームソースに舞茸と鶏肉がゴロゴロと入って食べ応えがあります。パスタのもちもちとした食感がやみつきになり、つい食べ続けたくなる一皿でした。

セットのバーニャカウダ風サラダは、焼き目をつけた野菜、生の野菜、ゆでた野菜が素材ごとに異なる調理法で盛り付けられ、食感の違いを楽しめる内容。添えられたソースやドレッシングも野菜の味を引き立てており、特にいんげんの食感が感動的でした。スープも野菜たっぷりで、全体としてバランスの良いランチに大満足。
福島市と浪江町、2つの拠点で描くEV GARDENのこれから

浪江町の拠点の建設予定地
EV GARDENの構想は、実はもともと福島県浪江町からスタートしています。その背景には、2021年に締結された「福島県浜通り地域における新しいモビリティを活用したまちづくり連携協定」があります。
浪江町・双葉町・南相馬市の3自治体と、日産自動車をはじめとする全国8企業が連携し、先進技術とサービスを活用した持続可能なまちづくりを目指してきました。
浪江町は人口流出という課題を抱える地域でもあり、人が集い、関係が生まれる拠点の必要性が共有される中で、EV GARDENの施設構想が生まれました。その後、工事の進行状況の関係で福島市の拠点が先にオープンしましたが、現在は浪江町での施設整備が進められていて、2026年11月のオープンを予定しています。
浪江町のEV GARDENは、福島市と同様にオフィスや飲食機能を備えつつ、より広い屋外空間を生かした施設が計画されています。エネルギー面では水素を活用したエネルギーマネジメントを予定しており、太陽光を利用する福島市拠点とは異なる特徴を持っています。
震災を経験してきた浪江町と福島市で整備されるEV GARDENは、人々の交流拠点として、災害時の防災拠点として、拠点同士が連携しながら取り組みや情報を共有・発信していく予定です。
気分転換にちょうどいい、まちの中のチャージスポット

夜には明かりが灯り、違った表情を見せる
EV GARDENふくしまは、食事や仕事、読書、交流など、それぞれの目的に合わせて使える場所です。
ランチのついでに少し休憩したり、仕事の合間に気分転換したり、子どもと一緒に本を読んだり。特別な予定がなくても立ち寄れて、自分のペースで過ごせます。
次の休日や平日の合間に、EV GARDENふくしまで、気持ちをチャージしに行ってみませんか。
EV GARDENふくしま 店舗情報

| 店舗名 | EV GARDENふくしま |
|---|---|
| 住所 | 福島県福島市北町2番32号 |
| TEL | 代表:024-572-7483 レストラン(Tuttino Kitchen):024-572-7484 |
| 営業時間 | 本社:9:30〜17:00 レストラン(Tuttino Kitchen) ・ランチ営業:11:00〜15:00 ・ディナー営業:17:00〜21:00 |
| 定休日 | ・ワークラウンジ:土日祝 ・イベントスペース:不定休 ・レストラン(Tuttino Kitchen):毎週火曜日・年末年始 |
| 駐車場 | 専用駐車場35台完備 |
| アクセス | 福島駅東口 徒歩15分 福島交通バス 舟場町降り場より徒歩3分 |
| HP・SNS | HP X |