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福島市発! いちごで広がるフードロス削減の新しいかたち

農家と飲食店とをつなぐ「配送支援」と「フルーツたすけっと」

いちご配送支援とフルーツたすけっと

ここ、フルーツ王国福島市では、冬から春にかけて甘くて真っ赤ないちごがたっぷり実ります。市内の観光いちご園でいちご狩りを楽しんだことがある、という方も多いのではないでしょうか。

しかし「小粒すぎる」「形が不ぞろい」といった理由で、市場に出回らない規格外いちごも少なくありません。味に問題がなくても、見た目の基準に合わないだけで行き場をなくし、タダ同然で譲られたり、泣く泣く廃棄されてしまったりしているのです。

そんな「もったいない」をなくそうと立ち上がったのが、私たち福島市観光コンベンション協会(以下、協会)。
この記事では、協会による規格外フルーツの活用を支援する2つの取り組みと、そこから生まれた春のいちごメニューをご紹介します。

いちごの現状と福島市の課題

いちご配送支援とフルーツたすけっと

春に収穫されるいちごは形が不揃いのものが多くなる

福島市のハウス栽培のいちごは、12月の中旬頃から翌年5月下旬頃までが収穫期。一番果と呼ばれる最初の頃に収穫できるいちごは品質も安定していますが、4月~5月頃に収穫される四番果や五番果は変形果や小粒などが多くなり、規格外いちごの割合が増えていくという、他のフルーツにはない特性があります。

でも、この小粒や変形いちごは家庭用には向かずとも、ジャムやソースなどの加工品やスイーツにぴったり。市内の飲食店や旅館などの事業者ではかなりの需要があることがわかりました。

そんな声を受けて、協会では「ふくしまピーチホリデイ」で蓄積したノウハウを活かし、農家と飲食店などの事業者をつなぐ「いちごの配送支援」を3年前から始めました。

規格外いちごを“おいしく”活用!「いちご配送支援」

いちご配送支援とフルーツたすけっと

協会では、例年、四番果・五番果と規格外いちごが出やすくなってくる時期に合わせて「いちご配送支援」を実施しています。今年の実施期間は4月4日から5月30日まで。市内の農家5軒から集めた規格外いちごを、月・水・金の週3回、飲食店などの事業者に届けています。

いちご出品事業者
八巻農園(ゆうやけベリー、とちおとめ)
片平果樹園(ゆうやけベリー、とちおとめ)
高橋果樹園(ゆうやけベリー、とちおとめ)
ごとうフルーツガーデン(ゆうやけベリー、とちおとめ)
高橋農園(ゆうやけベリー、とちおとめ)

配送は軽貨物を営む個人事業主が集う協同組合「赤帽」が担当し、その配送料は協会が負担しています。(※協会会員は無料、非会員は実費)。

農家にとっては、これまで廃棄せざるを得なかったいちごを収入につなげると同時に値崩れを防ぎ、福島のいちごのブランディングを進めていくことができるようになります。

飲食店にとっては、新鮮ないちごを定期的に仕入れられるチャンスに消費者にとっても飲食店で福島産フルーツメニューが増え、いちごのおいしさを知るきっかけになるため、それぞれにメリットのある、三方良しの“おいしい”取り組みといえます

配送支援の取り組みから誕生した、いちごスイーツたち

この配送支援の取り組みから、こんな素敵なスイーツメニューが生まれています。

いちご配送支援とフルーツたすけっと

bikoji 美麹甘酒フローズン(YUMORI ONSEN HOSTEL

いちご配送支援とフルーツたすけっと

JR福島駅新幹線連結湯庵プリン(源泉湯庵森山)

いちご配送支援とフルーツたすけっと

朝食バイキング(グランパークホテルエクセル福島恵比寿)

いちご配送支援とフルーツたすけっと

いちごの冷たいスープ(EGAO

配送支援を利用した事業者からは、「春のうちに下処理して冷凍しておけば、いちごメニューが通年提供できる」「形が不ぞろいでも、福島の旬ないちごを届けてもらえてありがたい」という声が多数寄せられています。

事業者向けの助けあい掲示板「ももりんのフルーツたすけっと」

第1回果樹加工勉強会 ももりんのフルーツたすけっと

「ももりんのフルーツたすけっと」のメインビジュアル

配送支援とは別に、農家と事業者をつなぐオンライン掲示板「ももりんのフルーツたすけっと(以下、フルーツたすけっと)」も本格始動となりました。

このサービスは一般消費者向けではなく、市内でフルーツを生産しているピーチホリデイ参加協力店や福島市内の事業者なら、どなたでも無料でご利用いただけるサイトです。主に生産者から直接話を聞いて購入したい事業者や、定期配送までは不要な事業者が利用しています。

まずはメールアドレスを入力してユーザー登録。規格外のフルーツをはじめ、野菜や米、花、葉っぱ、薪にするための剪定枝のほか、「配送に使う新聞紙や段ボールの箱を折る」「(農産物の皮をむいて種取りをして色止めをするなど)1次加工をしてくれるところがほしい」といった「農福連携」人材の提供など、さまざまな「モノ」「コト」を事業者間で直接やりとりできます。

例えば、農家が「今日・明日で取りに来られる方に、完熟桃を1キロ●●円で」と投稿したり、飲食店が「いちご5キロ、こんなサイズがほしいです」とリクエストしたり。リアルタイムでやり取りできるので、これまでは出品しにくかったり持て余していたような農産物も、必要としている相手に届きやすくなります

「フルーツたすけっと」は、そんな“もったいない”を減らして、農家と飲食店などの事業者がお互いに助け合える仕組みなんです。

「フルーツたすけっと」から生まれたメニューも!

フルーツたすけっとを通じてつながった規格外のいちごは、こんなメニューに活用されているんですよ。

いちご配送支援とフルーツたすけっと

いろいろフルーツのオープンサンド(キッチンカプリッチョ)※ケータリング用特別メニュー

いちご配送支援とフルーツたすけっと

クロッフル-いちご(御とめ湯り

いちご配送支援とフルーツたすけっと

試作のいちごのピューレ(アットホームsweets shop)※一般販売の予定なし

いちごがつなぐ、ご縁の輪

この取り組みを主宰する、いちご配送支援とフルーツたすけっとの担当者である協会の國分桃香さんにお話を伺いました。

國分さん:
いちご配送支援も、フルーツたすけっとも、結局は“人と人をつなぐマッチング”のようなもの。この仕組みをきっかけに、農家と飲食店などの事業者さんが自然につながり合って、多くの人に福島市のいちごを楽しんでもらえるようになったら嬉しいですね。

福島市のいちごを、もっとおいしく、もっと身近に。
いちごをきっかけに、福島市の地域循環と食の魅力に触れてみてください。

齋藤幸子(さいとうゆきこ)

レギュラーライター

齋藤幸子(さいとうゆきこ)

2010年に福島市に転入。WEB制作会社→銀行窓口業務→大学広報補佐を経験。2児の子育てをしながら、2019年より「福島に移住・転入した女性が、福島の暮らしの情報を発信するサイト tenten」でライター活動をはじめる。現在はフリーライターとして各種WEB媒体で執筆中。主に地域情報や生活情報の発信を行ってきたが、観光ノートのライターになり取材記事の沼にハマる。写真撮影、画像編集、マップ作成なども行う。

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