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福島でカフェ開業したい若者を支援「平野和茂さん / みんなのコーヒー焙煎所 one day roastery」

「福島のコーヒーファンのすそ野を広げたい」

福島市飯坂町の「cafe HIRANAGA」さん。コーヒー豆の仕入れや、カフェメニューの食材などにもこだわり、連日多くのお客様が訪れる人気のカフェです。そのcafe HIRANAGAさんが2021年にオープンした、「みんなのコーヒー焙煎所 one day roastery」では、福島にコーヒー文化を根付かせるべく、若者のカフェ開業支援を行っています。いったいなぜ?オーナーにお話を聞いてきました。

焙煎所をオープンしたきっかけ

cafe HIRANAGAの外観

cafe HIRANAGAの外観

cafe HIRANAGAは、福島市の飯坂温泉街にあり、1日に約100人が訪れる人気のカフェです。毎週水曜日に女性限定の「NAGACAFE」を開いたり、各種イベントを開催したりして、常連さんとは家族のような関係に。cafe HIRANAGAを中心にした輪は今も広がり続けています。

cafe HIRANAGA店主の平野さん(左)と永井さん(右)。2人の苗字を合わせて「cafe HIRANAGA」と名づけた

cafe HIRANAGA店主の平野さん(左)と永井さん(右)。2人の苗字を合わせて「cafe HIRANAGA」と名づけた

平野さんと永井さんは、「自分たちがいなくなった後も、ここで生まれたコミュニティを大事にしていきたい。残していきたい」と考えるようになりました。
そこで、「みんなのコーヒー焙煎所 one day roastery」を2021年にオープンしました。焙煎所はcafe HIRANAGAさんから徒歩3分ほどの場所にある古民家をリノベーションし、その費用はクラウドファウンディングを利用しました。

古民家をリノベーションした焙煎所。「R」の文字が目印

古民家をリノベーションした焙煎所。「R」の文字が目印

おふたりが焙煎所をオープンした背景には、平野さんと永井さんが見据える4つの未来があります。

  • みんなが新しいことに挑戦し、互いに学び合うワークショップを開催
  • 若者が「潰れないカフェ・コーヒー店経営」を学べる場所にする
  • 「自ら焙煎してコーヒーを淹れる体験」を提供し、地域のコーヒーファンを増やす
  • 「飯坂温泉ブレンド」を開発し、飯坂温泉の観光復興を目指す

中でも注目したいのは、若者が『潰れないカフェ・コーヒー店経営』を学べる場所にする」というもの。cafe HIRANAGAさんでは、「弟子制度」を導入し、若者にカフェ開業のノウハウを教えています。

まかないつきでコーヒー修行「弟子制度」

お弟子さんになる人には、カフェや焙煎所、イベントなどの手伝いをしてもらいながら、コーヒーの修行をしてもらいます。cafe HIRANAGAのまかない付きで、コーヒーは淹れ放題&飲み放題。
給料を出したり、受講料を貰ったりといった、お金のやり取りは発生しません。堅苦しい契約の類も特になし。

平野さん:
カフェでバイトをすることでも技術は磨けます。でもバイトだと「お金を稼ぐためにやる」になってしまい、積極的に学ぼうという意思が薄れます。だから焙煎所では「弟子制度」にしました。福島にこれだけの設備が揃った施設はほかにはなく、カフェ開業のための修行にはもってこいの場所です。

これまでにオープンしたカフェは?

お弟子さんでカフェ開業された方はまだいないそうですが、cafe HIRANAGAに通っていたお客様が、福島市上町にカフェ「μM(ミューム)」をオープンしました。焙煎所やcafe HIRANAGAのイベントを手伝ってもらったりしていて、オープンに向けてアドバイスもしていました。

お弟子さんはどんな人?

cafe HIRANAGAスタッフでありお弟子さんでもある齋藤さん

cafe HIRANAGAスタッフでありお弟子さんでもある齋藤さん

2022年1月現在、3名の女性がお弟子さんとして修行中です。
お弟子さんたちの本業は、カフェ店員さん(弟子2年目)、歯科衛生士さん(弟子1か月目)、山形県の管理栄養士さん(弟子3か月目)と、職業も修行を始めた時期もバラバラ。
空いている時間に焙煎所やcafe HIRANAGAを訪れ、修行に励むのだそうです。中には、土日に焙煎所に泊まり込んで、コーヒー修行に明け暮れるという方も!

平野さん:
お弟子さんはみんな、「練習させてください~」って、軽い感じで入ってきますね。中には、弟子入りしたけど辞めていってしまう人もいます。でも、間口を広くしておいた方が若者が入ってきやすいので、「誰でもどうぞ」というスタンスでやっています。

コーヒーを淹れるために大事な5つの技術

平野さん自慢のエスプレッソマシーン

平野さん自慢のエスプレッソマシーン

コーヒーを淹れる際には、5つの技術が必要になります。

  • ハンドドリップ
  • エスプレッソマシーン
  • コーヒー豆の焙煎機
  • 味覚の訓練
  • センスを磨く

この5つの技術をマスターすれば、大抵の飲み物は作ることができ、様々なアレンジもできるようになるそうです。
エスプレッソマシーンは、エスプレッソを抽出するほか、ラテ用のスチームを使って温かいりんごジュースを作ったり、紅茶のアレンジをしたりもできるそう。

焙煎所には、ハンドドリップの設備、エスプレッソマシーン、コーヒー豆の焙煎機が揃っており、カフェスタンドも併設されています。

コーヒー豆の焙煎機

コーヒー豆の焙煎機

カフェスタンドで提供するメニュー(冬)

カフェスタンドで提供するメニュー(冬)

「弟子制度」に学習プログラムは特になく、その人がやりたいというものを教えているそうですが、お弟子さんたちは、まずはこの5つの技術の習得から進めていくそうです。

平野さん:
基本的な技術を習得するには最低2年くらいはかかると思います。
エスプレッソマシーンとラテ(アート)を勉強するのに約1年。ハンドドリップは1年かからないくらいでしょうか。本人のやる気次第ではありますけどね。
コーヒーの技術を習得するだけではカフェ開業は難しいので、ゆっくり色んな事を教えていきたいです。

福島のコーヒーファンのすそ野を広げたい

「若い男性のコーヒーファンを増やしたい!」と願う平野さん。

平野さん:
最近は「苦い!」といって、若い男性がコーヒーを飲まなくなっています。多分、美味しいコーヒーを飲んでないからだと思います。さらに、福島市でコーヒーが飲めるお店は、店主が中年~年配の方が多い。だから、なおさら若い男性が一人でカフェや喫茶店に入ることが少なくなっています。
若い男性のコーヒーファンへのすそ野を広げるには、若い男性にカフェをオープンしてもらうのが一番です。同年代の男性がやってるカフェなら、若い男性も入りやすいでしょう?
まずは、cafe HIRANAGAや焙煎所をきっかけに、コーヒーに親しんでもらいたいですね。

カフェ経営で大事なことは?

最後に、平野さんにカフェを経営する上で大事なことをお聞きしました。

平野さん:
とにかく楽しんでほしいですね。楽しみの中にも、苦しみはあります。頑張ろうとすると長続きしないので、ぜひ楽しんでやってください。コーヒーに興味がある人には、どんどん焙煎所を自由に使ってもらいたいですね。

まとめ

「この焙煎所が、夢のある若者の将来に役立てれば嬉しい」と話す平野さん。コーヒーへの熱い思いやこだわりが伝わってきました。
この小さな焙煎所から、福島のコーヒー文化が広がっていくのが楽しみです。

店舗情報

 住所 福島県福島市飯坂町八幡 5-5
営業時間

水 11:00-16:00
日 13:00-16:00
※予告なしで短縮営業・臨時休業になる場合がございます

駐車場 近隣の民間有料駐車場をご利用ください。
HP・SNS

Instagram

備考  

cafe HIRANAGA

齋藤幸子(さいとうゆきこ)

レギュラーライター

齋藤幸子(さいとうゆきこ)

2010年に福島市に転入。WEB制作会社→銀行窓口業務→大学広報補佐を経験。2児の子育てをしながら、2019年より「福島に移住・転入した女性が、福島の暮らしの情報を発信するサイト tenten」でライター活動をはじめる。現在はフリーライターとして各種WEB媒体で執筆中。主に地域情報や生活情報の発信を行ってきたが、観光ノートのライターになり取材記事の沼にハマる。写真撮影、画像編集、マップ作成なども行う。

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