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「暮らすように、旅をしよう。」#4 街の記憶を受け継ぎ、歩く時間を整える。「ヴェアクシュタット オオゼキ」

靴工房とカフェがひとつになった、街なかのよりどころ

福島の街なかを歩いていると、ふと足を止めたくなる店に出会うことがあります。靴工房とカフェがひとつになった「ヴェアクシュタット オオゼキ」も、そんな一軒。

ドイツ語の店名が書かれた看板、木のぬくもりを感じる内装、店の奥に続く工房スペース。通りから見ただけでも、なんだか気になってしまいます。

「暮らすように、旅をしよう。」の第4回では、同店を訪ね、店の歴史や靴工房、カフェに込めた思いを伺いました。

ヴェアクシュタット オオゼキ

店長の大関悠人さん(左)と、奥様でバリスタの麻矢さん(右)

家業の記憶が残る場所にひらいた靴工房とカフェ

ヴェアクシュタット オオゼキ

栄町の福島駅前通り沿いにある「ヴェアクシュタット オオゼキ」は、足の悩みに寄り添う靴工房と、ゆっくり過ごせるカフェがひとつになった店です。

ここは、もともと店長 大関さんの父の代まで理容店を営んでいた場所。そのルーツをたどると、明治の終わり頃からこの地で「髪結いどころ」として商いを続けてきたそう。

大関さんにとって栄町は、町内会や稲荷神社の秋祭りなど、子どもの頃からなじみ深い街。「業種は変わっても、代々商売をしてきたこの場所で、地域とのつながりを持ち続けたい」そんな思いが、この店の出発点になりました。

ヴェアクシュタット オオゼキ

大関さんが靴の道を志したきっかけを伺うと、一言では言い表せないという返事。
街なかから個人の靴屋が少しずつ減っていくことへの寂しさ。サッカーをしていた少年時代に、合うスパイクがなかなか見つからなかった経験。そういったいくつもの思いが重なって、気づけば靴の仕事を目指していたとのこと。

埼玉の大学で経営学を学びながら、足の悩みに合わせて靴を調整する「整形靴」の専門学校へ。その後は靴と医療の先進国であるドイツへ渡り、現地で約6年半、働きながら学べる制度の中で整形靴の技術を身につけました。

帰国後は都内で義肢装具の分野に携わり、日本での実務経験も重ね、2023年に福島へUターン。この店のオープンに至ります。

一人ひとりの足の悩みに向き合う工房

ヴェアクシュタット オオゼキ

店名の「ヴェアクシュタット」は、ドイツ語で「工房」という意味
靴をただ販売するのではなく、一人ひとりの足の状態や悩みに合わせて、靴選びや調整、加工、インソール作りまで含めて対応しています。

「靴はメガネと同じような捉え方ができます。靴はフレーム、インソールはレンズのようなもの。メガネを作る時はまず視力を測り、それに合ったフレームとレンズを用意しますよね。靴も同じ考え方です。まずはお悩みを聞いて、解決できるアプローチを探します」そんな大関さんの言葉も印象的でした。

「靴は傷んだら買い替えるもの」という感覚が変わります。

ヴェアクシュタット オオゼキ

大関さんが向き合うのは、整形外科にかかるほどではないけれど、なんとなく足に不安があるという軽度~中度の悩みです。例えば、「外反母趾で足が痛い」「歩くと疲れやすい」「ヒールを長年履いてきた」「幅広で既製品が合わない」といった方が訪れます。

話を聞きながら足の状態を確認し、靴に加工を施したり、必要ならインソールを作ったり、一緒に靴を選んだりと、その人に合った方法で悩みを解消していきます。

既製品の靴でも、履き方やひもの結び方を見直すだけで、歩きやすさが変わることもあるそうです。また、工房では足の悩み相談だけでなく、かかとの修理やソール補修など、靴のメンテナンスにも幅広く応じています。

「靴を作ること以外なら、まずは相談してみてほしい」と大関さん。足に悩みを持つ方にとって心強い一軒。相談は予約優先ですが、店の状況によっては当日の対応も可能だそうです。

靴を選ぶ時間も、待つ時間も、心地よく過ごせるカフェ

ヴェアクシュタット オオゼキ

木の質感を生かした内装は、ヨーロッパの伝統的な「ハーフティンバー様式」をイメージ

そして、この店のもう一つの顔が店内に併設されたカフェ。
靴の相談や調整には30分~1時間ほどかかることもあるため、できるだけお客様がリラックスして過ごせる場所にしたい。そんな思いから生まれた空間です。

ヴェアクシュタット オオゼキ

カフェを担うのは、奥様でバリスタの麻矢さん。
最初は大関さんが「待ち時間にコーヒーでも出せたら」くらいの軽い気持ちでお願いしたそうですが、麻矢さんは「お客様に快適に過ごしてもらいたい」とバリスタの学校へ。本格的にエスプレッソ技術を学び、気づけばカフェは店の大切な柱のひとつになっていました。

コーヒーは、地元の方が好みそうな味を焙煎士と一緒に考えたオリジナルブレンドを使用。ハンドドリップのほか、エスプレッソやカフェラテも展開していて、季節ごとのラテが登場するのも楽しみのひとつです。

カフェで提供しているスイーツは、大関さんの同級生や友人のお店から届くものもあり、そこにも地域のつながりが感じられます。

ヴェアクシュタット オオゼキ

オリジナルブレンド(600円税込)と、大ゴッホ展コラボ限定メニューのソレイユラテ(750円税込)※取材時価格

私は、オリジナルブレンドを注文してみました。スペシャルティコーヒーを含む、4種の豆をブレンドしているそうで、酸味は控えめ、チョコレートのような深いコクを感じました。派手ではないけれど、ホッとくつろぐ時間にぴったりです。

靴の相談で付き添いのご家族や友人が一緒に訪れたときでも、コーヒーやスイーツを楽しみながら待てるのも、この店ならでは。カフェ目的で来店する方も多く、街なかでひと息つける場所として親しまれています。

軽くなった足で、福島の街をもう少し歩いてみる

ヴェアクシュタット オオゼキ
足元を整え、コーヒーでひと息つき、そのまま街を歩いてみる。ヴェアクシュタット オオゼキは、そんな福島での時間の過ごし方を自然に後押ししてくれる場所です。

近くには歴史ある稲荷神社があり、少し足を延ばせば、県庁周辺に城下町の面影を残す寺町も。
「車があれば、信夫山の足尾神社や浄土平、福島市の三名湯(飯坂・土湯・高湯温泉)まで足を延ばすのもおすすめです」と大関さん。

ここを起点に歩いてみると、街の見え方が少し変わるかもしれません。

ヴェアクシュタット オオゼキ 詳細情報

ヴェアクシュタット オオゼキ

店名 ヴェアクシュタット オオゼキ
住所 福島市栄町11-25 AXCビル1F
電話 024-522-3384
営業時間 【平日】10:30~19:00 ※カフェのラストオーダーは17:30
【日・祝日】10:30〜18:00 ※カフェのラストオーダーは17:00
定休日 月曜日、第3日曜日
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駐車場 なし(お近くの有料駐車場または公共交通機関をご利用ください)
アクセス JR福島駅東口より徒歩約5分

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