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観音さまの功徳を得て心を浄化する「三十三観音巡り」情報サイトがオープン!

福島県北地方に8つもある霊場を網羅! アクセスや御朱印の有無も掲載

ご朱印集めがお好きな方なら、「観音さま巡り」を経験された方も多いのではないでしょうか。

日本全国に存在する「三十三観音」霊場は、観音さまが33のお姿に身を変えて現れ、衆生をお救いくださるという信仰に基づいたものです。

福島・伊達エリアで江戸時代から続く「信達(しんたつ)三十三観音」。今も御朱印を手に巡る人が絶えない由緒ある霊場ですが、福島市を含む県北地域には、他にも「7つ」もの三十三観音霊場が存在することはあまり知られていません。

このたび、県北の8つの霊場すべてを網羅した情報サイト「ふくしま県北三十三所巡礼net」がオープンしたと聞き、企画した圓通寺(えんつうじ)副住職、吉岡統親(よしおか とうしん)さんと、制作を担当した株式会社ハイカラの原義典(はら ぎてん)さんにお話を伺ってきました。

忘れられた三十三観音霊場を、今なぜ?

吉岡さんが副住職を務める圓通寺は、曹洞宗のお寺です。曹洞宗には県単位の組織として「福島県青年会」、その下に地域別の「県北青年会」があり、吉岡さんは一昨年、その会長に就任しました。

かねてから青年会のウェブサイト上での情報発信をもっと充実できないかと考えていた吉岡さんは、これを機に県北地域にある三十三観音霊場の紹介コンテンツを発案したといいます。

圓通寺御本堂の前に立つ吉岡さん

「信達三十三観音はよく知られており、圓通寺観音堂はその第四番、圓通寺が管理する城山観音堂は第五番の霊場となっていますので、たくさんの方がお参りに来られます。その方々を拝見していて思うのは、巡る方にとって33か所をひとつずつ調べるのは大変だということ。一部の寺院はホームページやSNSを持っていますが、発信するのはあくまで自分のところの情報だけです。ですので、全部まとめて紹介したものがあれば便利だなと思いました」

もっとも、信達三十三観音だけなら公式ガイドブックも存在しますし、数ある「全国霊場巡り」的なサイトでも紹介されています。そこで吉岡さんは、県北に存在する信達以外の、地元の人ですらほとんど知らない7つの霊場もすべて網羅したサイトを作ろうと考えました。

【福島県北地域の8つの霊場】
・信達三十三観音
・安達三十三観音
・信夫三十三観音
・小手(おで)三十三観音
・伊達三十三観音
・伊達秩父三十四観音
・信夫新西国三十三観音
・信達(準)坂東三十三観音
※名前に秩父や西国、坂東とあるのは、全国の三十三観音巡りで有名な西国、坂東、秩父の3霊場まで出かけられない人のために設定されたものと考えられるとのこと。

ご自身も「聞いたことがある程度」だったというこれらの霊場について、吉岡さんが調査を始めてみると、昭和の中頃までは白装束でこうした観音さまを回る観音講のような方々が大勢いたこと、それが昭和40年頃を境に激減してしまったことがわかったそうです。

「上記のうち2つほどは昭和に入ってから設定された霊場ですが、その他は信達も含めて基本的に江戸時代からのものです。そんな歴史ある霊場巡りの文化が60年ほど前に途絶えてしまい、その存在すら忘れられていくというのはなんとも寂しい。だから、この機に調べた情報をネットで公開すれば、もう二度と消えない記録になるだろうと考えたのです。同時に、マニアックなお寺好きの方々のニッチな需要に応えるものにしたい、という思いもありました」

こうして、8霊場×33観音=260か所以上*の観音さまを調査するという一大プロジェクトが始まったのでした。

*正確には寺院の数が8×33=264というわけではありません。

「ふくしま県北三十三所巡礼net」の中の霊場別紹介ページ

もともと観音巡りは宗派超越。なにより使いやすいサイトを

ところで、三十三観音巡りのお寺はすべて、圓通寺と同じ曹洞宗なのでしょうか?

「いえ、そんなことはありません。この地域に比較的曹洞宗が多いのは事実ですが、他の宗派でも観音信仰を持つ宗派は多くありますので、天台宗や真言宗、浄土宗などの寺院の観音堂も含まれています。
曹洞宗以外のお寺にこのサイトへの掲載許可や情報提供をお願いするのはなかなか大変な作業でしたが、福島市仏教会という超宗派の組織を通して協力を依頼するなどしました」

しかし、なんといっても対象となる観音さまの数は膨大。当然、仏教会に所属していないお寺もあり、さらにはお寺でなく個人や地域住民が管理している観音さまもおられるとか。

「そういうところは他の青年会メンバーと手分けして訪問し、直接説明して回りました。法衣でなく平服で訪問したら、怪しまれて門前払いされたこともあります(笑)」

こうして2年の歳月をかけて集めた260以上の観音さまの情報を、「ふくしま県北三十三所巡礼net」というウェブサイトの形に仕上げたのが、山形県酒田市を拠点に広告・デザインの仕事を手掛ける原義典さんです。

実は原さん、山形県庄内町にある泰宗寺(たいそうじ)というお寺の住職と「二足の草鞋」を履いているそう。曹洞宗福島県青年会のホームページを手掛けたご縁もあり、吉岡さんから声がかかったといいます。

吉岡さん(右)と、オンラインで取材に応じてくださった原さん

原さん:「県北の全霊場の情報をネット上に記録として残したい、という吉岡さんのコンセプトを聞いたときは、すばらしいと思いました。ただ、とにかく情報量が多いので、サイトをどうやって作るかは課題でしたね。第一に使い勝手をよくすること、一般の方がお参りに行きやすく、御朱印を集めやすい雰囲気を出すことを心がけました」

たしかに、御朱印集めが趣味という方でも、公式ホームページなどを持たないお寺の場合、事前に電話して事細かに確認するのは気が引けたりしますよね。そんなとき「ふくしま県北三十三所巡礼net」は、まさに強力なツールとなります。

すべての観音さまの沿革、所在地やアクセスだけでなく、ご朱印の有無、拝観時間などの詳細も掲載されているのです。もちろん、巡礼の支度や御朱印の受け方などの説明も

これなら誰でも安心してお参りに出かけられそうです。

住所だけでなくGoogle map上でも示されているのはとても便利。これらも地番表示と住居表示の違いから、原さんがひとつずつ手作業でプロットしたそう

御朱印きっかけも全然OK、でも巡礼とはそれ以上のもの

このサイトを見て、「よし! 県北8つの三十三観音霊場をぜんぶ巡って御朱印を集めよう!」と思った方。33個の御朱印集めがコンプリートできる霊場は、現在、残念ながら信達三十三観音だけとなっているそうです。

その他の霊場は、人々が巡礼をしなくなってから半世紀以上が経ち、中には最初、場所すら特定できないところがあったといいますから、御朱印のないお寺があるのも致し方ないことでしょう。前述のとおり、個人宅や集会場で管理されている観音像もあり、そういう場所では当然御朱印もありません。

けれど、そもそも巡礼とはスタンプラリーとは違うもの。御朱印帳を持たずとも、お参りすることで観音菩薩さまの功徳を得、心を浄化することこそ本来の目的のはずです。

この機会に、あなたも県北地方の隠れた霊場を巡る旅に出てみてはいかがでしょうか。福島駅から徒歩圏内のお寺も霊場に含まれていますので、思ったより気軽に始められるかもしれません。

最後に僧侶のお二人へ、巡礼する際の心構えなどについて質問してみました。

原さん:「霊場めぐりも修業のひとつですが、堅苦しく考える必要はないでしょう。さかのぼれば江戸時代、霊場めぐりは藩境を越えて移動するための一つの手段でした。

人々は病気を治したいとか子を授かりたいとか、そういう心願を叶えるために霊場回りをしたわけですが、それは今の時代もまったく同じ。例えば、長いこと不妊に悩んでいた人が、ある観音さまをお参りしたら子を授かった、それがきっかけで御朱印めぐりを始めたという話など私の身近にもあります。神仏に願ったりすがったりすることは、まったく自然なことだと思います」

吉岡さん:「巡礼に出る方に対して、私からこうあってほしい、という思いはありません。巡る理由は人それぞれですからね。それこそ初めは御朱印集めが理由でも、私は構わないと思っています。

誰でも若い頃は、自分の力で何でもできると感じるでしょう。でも、歳を重ねるにつれ、人は自分の力だけではどうしようもないことにぶち当たるものです。そこに生まれるのが信仰というものではないでしょうか。

特に、救いの手を差し伸べてくださる観音さまのようなものにおすがりする気持ちは自然なこと。だから、巡礼とは各々が自分の心の中で何かを得るためのものであり、こうでなければならないという定義はありません

『ふくしま県北三十三所巡礼net』も参考にされ、どうぞご自身のタイミングでお参りにお出かけいただければと思います

圓通寺でいただいた第四番札所と第五番札所の御朱印。第五番札所の城山観音堂は、圓通寺より徒歩約5分の場所にある。御朱印を圓通寺にお願いしてから向かうとスムーズ。

【御朱印を授与していただく際の心得】
御朱印は、観音堂の別当寺でいただけますが、寺院では納経への感謝の気持ちを込めて押印し、日付を記帳します。ていねいに印すため、少々時間がかかること、寺務や行事で不在の場合もあり、申し込んでもすぐには対応できないこともあります。
「事前連絡不要」とある別当寺以外は、事前に電話で確認しておくのがよいでしょう。特に団体の場合、事前の確認が必須です。
御朱印の手順と心得は「ふくしま県北三十三所巡礼net」に詳しく書かれています。

ふくしま県北三十三所巡礼net(外部リンク)

最も知名度の高い「信達三十三観音めぐり」の公式ガイドブックは、JR福島駅西口2階にある福島市観光案内所でも販売しています。

「信達三十三観音めぐり公式ガイドブック」2,420円(取材時)

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