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2026年春に始動! 温泉施設で利用できる高齢者・障がい者温泉入浴サポートの体験会レポ
利用者も、介助者も、受け入れ温泉施設もWin-Winの取り組みに注目!
土湯温泉、飯坂温泉、高湯温泉など温泉資源が豊富な福島市。地域の人々に愛され、観光客も数多く訪れる名湯が点在しています。
そんな中で、障がいがある方や身体の不自由な高齢者などにも温泉を楽しんでもらいたいと、福島市観光コンベンション協会では、バリアフリー事業の一環として温泉入浴サポートの導入が進められています。
今回は、2026年春の本格始動を前に、障がい者支援施設の利用者さんがモニターとして実際に体験しているところをレポートします。
土湯温泉「YUMORI ONSEN HOSTEL」にて開催された体験会
雪舞う12月初旬。土湯温泉「YUMORI」にて、温泉入浴サポートのモニター体験会が開催されました。参加したのは「社会福祉法人 けやきの村」利用者と、その介護施設の職員。
今回の利用者さんは普段から車イスを使って生活している男性。介護福祉士など有資格者の同性スタッフが2人1組で対応します。

2018年にホテルを全面リノベーションして、車いす対応の客室、ユニバーサルスイートルームや、車いすの方も入浴しやすいバリアフリーの貸切風呂などを設置した「YUMORI」。今回はバリアフリーの貸切風呂での入浴でした。
脱衣、生活で使っている介護用車イスからシャワーキャリー(浴室で使用できる車イス)への移動、そして身体を洗って浴槽へ移動。浴槽の中では、利用者さんの体格に合わせて湯船の中にイスを入れたり調整して、一人ひとりが気持ちよく浸かれるように工夫しているそうです。

浴室専用の車イス「シャワーキャリー」
YUMORIでは、足が不自由な方も安心して入浴できるよう、浴室専用の車イス「シャワーキャリー」の無料貸し出しがあります。入浴サポートに必要な福祉用具は、入浴サポートスタッフがお客様の身体状況に合わせて用意します。
肩にお湯をかけてもらった利用者さんは、なんとも気持ちよさそうでした。背中を支えてもらえるので身体も安定し、安心して入浴できるのだそう。

1人が背中を支え、もう1人が優しく声かけをしながらお湯をかけてくれるので安心

手をあてて、湯の量を調整。利用者さんの負担にならないようていねいに行っている
利用者さんからは「気持ちよかった」「家族で温泉旅行は迷惑をかけてしまうので諦めていたが、プロの力を借りて安心して入浴できた」「この企画のおかげで、久しぶりに温泉に浸かってリフレッシュできた」「また機会があれば利用したい」など大満足の声。
温泉パワーで身体も芯から温まり、心もポカポカ。そんな様子が入浴後のおだやかな表情から見て取れました。

入浴後にドライヤーをあててもらいながら、水を飲んで「気持ちよかった」とホッと一息
みんなにメリット! 協力介護事業者や、受け入れ施設の声
福島市観光コンベンション協会のバリアフリー事業担当者からの提案を受けて「それは、おもしろい! ぜひやりましょう!」と真っ先に協力を決めたという、社会福祉法人けやきの村 理事長の舟山信悟さん。
「介護に関わってきた自分たちの専門性を活かして、地域のみなさんに喜んでいただける企画。観光に介護専門職の自分たちも携わり、来訪者に喜んでもらえることは職員のやりがいにもなり嬉しいし、モチベーションも上がります。年齢や障がいの有無に関わらず、すべての人が安心して楽しめるので、福島市のユニバーサルツーリズムとしても魅力的です」と話します。

「社会福祉法人けやきの村」舟山信悟さん
また、今回の温泉入浴サポート事業は制度外サービスとして実施されるため、介護職員にとっては副業として多様な働き方や収入確保につながると期待を膨らませている様子でした。
現在、舟山理事長の呼びかけに共感した20名を超える職員が、「力になりたい」と積極的に手を挙げています。「他の施設でも関われる職員を増やしていければ、より多くの人にサービスを提供できると思います」

「YUMORI」渡邉萌さん

「山水荘」髙橋郁さん
今回の受け入れ施設・土湯温泉「YUMORI」マネージャー 渡邉萌さんは「家族だからこそ介助で気を遣うこともあると思うので、専門的な知識を持ったプロにお願いできれば、お客様もご家族も安心して旅行を楽しめると思います」と期待大。
温泉という観光資源を介護と組み合わせることで、より感動してもらえる思い出を提供できると、この取り組みに共感したのだそう。
同じく受け入れ施設の一つになっている土湯温泉「山水荘」。数年前から経営陣がバリアフリーへの意識を高め、設備を整えてきました。「このような企画はこれからどんどんニーズが高まると思うので、今まで整えてきた下地が活かせるチャンス。旅館や温泉地を選ぶときの基準の一つになると思います」と経営企画・人事・サスティナブル推進課課長 髙橋郁さん。
設備やスタッフの対応など、入浴サポートスタッフやお客様からの声を聞きながら今後も改善を重ね、より良いサービスに繋げていきます。
モニターを重ねることで、入浴サポートを利用したお客様・入浴介助者、施設側からさまざまな意見も出て、設備面やスタッフの知識・技術面など課題も見つかりました。
今後は一つひとつの課題を解消し、より入浴サポートを利用されるお客様に寄り添う事業に成長させるべく、2026年春の本格運用を前に着々と準備が進められます。
プロによる安心のサポートで、福島市の名湯を心ゆくまで満喫しませんか?

土湯温泉街の中心にある足湯
これまで障がいのある方や高齢で身体が不自由な方の温泉旅行は、同行する家族の負担が大きく、本人もご家族も気を遣って心の底から温泉を楽しめないという不安がありましたが、今回の温泉入浴サポート事業が導入されればそれも解消されます。
まさに、入浴サポートを利用されるお客様・介護事業者・受け入れ温泉施設ともに、みんな嬉しい“三方よし”の事業です。
“身体に不安があっても、温泉を満喫したい”という想いにプロの力で応えてくれる今回の事業。絶景、泉質はもちろん、家族みんなが安心して大満足できる福島市の温泉とユニバーサルツーリズムを全国にPRする、いいきっかけにもなることでしょう!
福島市観光コンベンション協会では、県外の人にも観光として幅広く利用してもらうため、申込窓口を複数設置できるよう進めています。現在は土湯温泉「YUMORI」と「山水荘」の2か所の施設でモニター受け入れを実施していますが、受け入れ施設も徐々に増やしていく予定です。
【お問い合わせ】
| 窓口 | 福島市観光案内所(バリアフリーツアーセンター) |
|---|---|
| 住所 | 福島市栄町1-1 JR福島駅西口2階 |
| 電話・FAX | 電話:024-531-6428 FAX:024-531-8165 |
| メール | annai-ni@f-kankou.jp |

