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24時間、命を守る! 福島市消防本部の「消防めし」と隊員のリアル

Instagramで話題沸騰。消防隊員が作る、栄養たっぷりスタミナご飯

福島市の防災の要である『福島市消防本部』。消火や救急、救助活動など実際の現場での活動のほか、防災・防火の指導、応急手当などの普及啓発、火災予防の広報活動など、市民の命を守るために活動しています。

そんな福島市消防本部が2025年5月にInstagramのアカウントを開設、日々の活動や訓練の様子を投稿しています。現在、フォロワー数は約2,000人(2025年12月時点)。

中でも人気の投稿が、隊員が手作りする消防めし」

和気あいあいと作っている様子が垣間見える投稿が大人気ですが、スタミナご飯を署内で自炊しているのは、厳しい任務に向き合う消防隊員ならではの理由がありました

今回、実際に作っているところを特別に見せていただきました。普段なかなか見られない隊員の日常、ぜひご覧ください!

Instagramで話題沸騰! 福島市消防本部の「消防めし」

消防隊員の仕事は、市民の命を守ること。そのために1分1秒でも早く現場に駆けつけて消火・救助活動を行うことが重要になってきます。

福島市消防本部の隊員の皆さんは、いつ出動指令がかかってもすぐに動き出せるよう、24時間体制で常に万全の状態で待機。そのため、勤務時間中は外食や弁当を買いに行くこともできません。

そのような中、昔から隊員の胃袋を満たしてきたのが「消防めし」。消防本部内で手作りする夜ご飯です。

取材時のメニューは「ビビンバ丼・手作り温玉のせ(汁付き)」

調理するのは、当直の若手隊員を中心に3〜5人。当直にあたっている隊員分、1日約20人前の料理を仕込むそうです。

そんな消防めしをInstagramのストーリーズで紹介したところ、人気コーナーに。

消防メシ、調理メンバーの皆さん。左から2番目が今回の料理長・引地さん

取材に伺った際のメニューは、若手隊員が考案した「ビビンバ丼」。

あらゆる出動要請に迅速に対応できるように、素早くかき込める丼物が多いです。今日のビビンバ丼は、栄養バランスを意識して野菜をたっぷり入れ、スタミナアップでニンニクを使っています」と話すのは、消防士の引地莉杏(ひきち りあ)さん。今回の料理長を務めています。

同じチームで1年間、調理を担当する

レパートリーは他にも、カレー、けんちんうどん、ガパオライスなど、手間がかからず栄養満点で食べやすいメニューが多いのだとか。

1人500円を目安に材料を仕入れ、自分たちで調味料を混ぜてタレを作ったり、なるべく安くボリュームたっぷりになるよう考えながら作っているそう。

タレも手作りして好みの味付けに

約20人前を大鍋で一気に作る

隊員の食の好みや要望に合わせてメニューをアレンジできるのも手作りならでは。調理メンバーの中には、消防めしを作るようになってから初めて料理を覚えたという人もいるそうです。

消防隊員になって初めて調理をしたとは思えないほどの包丁さばき!

調理時間は貴重な交流のタイミング

調理担当は、消防隊や救急救命士、レスキュー隊など所属もバラバラ。この時間が、他の部署ともコミュニケーションをとれるタイミングになっています。

階級の垣根を越えて、みんなで食事を作ることでチームワークが高まります。仕事の話はもちろん、プライベートな話をしたり、レシピを教え合ったり。また、上官と若手が交流できる貴重な場にもなっています」と広報の斎藤直樹さん。

業務での疑問や悩みも乗り越える絆が生まれる場所。目指すのは“なんでも言い合える関係”

常に緊張感のある現場に向き合っている消防隊員だからこそ、ご飯のときだけでも息を抜いて、オン・オフのメリハリをつけることで活動に集中できる環境を作り上げています。
さらに、この場で培ったコミュニケーション能力が現場でも活かされ、救助活動などより円滑な業務に繋がっているのだそう。

ひとたび緊急入電があればキリッとした表情に変わり、出動の準備が始まります。

福島市消防本部では、高い建物の消火活動を行う「はしご車」などさまざまな種類の消防車を所有

いざというとき力を最大限に発揮するための日々の訓練

災害の最前線で活動する消防隊員の皆さんは、基礎体力作りはもちろん、毎月行われる訓練などによって技術を身につけています。

救助訓練の様子

特殊車両の動かし方、ホースの扱い、レスキューツールの使い方など熟練の技術が必要な業務も多く、日々の訓練の積み重ねが、いざというときに力を発揮できるかのポイントになっています。

火災建物屋内進入訓練の様子

こうした消防隊員の皆さんの不断の努力によって私たち市民が安心して生活できていることを知り、改めて感謝の気持ちと防災への意識を強く持ちました。

防災のススメ、これからの季節に注意してほしいこと

熱中症での救急車出動が多い夏に比べて、寒い冬の季節は空気が乾燥するため火災への注意が必要です。「暖房器具を使い始める季節なので、火の取り扱いには十分注意してください」と斎藤さん。

また、寒い脱衣所から急に温かい湯船に入るなど、急激な温度変化で血圧が変動し気を失ってしまう「ヒートショック」の危険性も高まります。血圧が高めの方は特に注意が必要です。

事故や災害に遭わないのがいいのはもちろんですが、万一の災害に備えて「家具の固定」や「備蓄品の用意」「避難場所・経路の確認」など、私たちでもすぐできる防災から実践していきましょう!

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高橋由香

準レギュラーライター

高橋由香

福島市出身。関東の大学へ進学後、Uターンをして地元の出版社に就職。主に紙媒体の情報誌の編集部員として経験を積む。東日本大震災後の体調不良をきっかけに「食」のありがたさに気が付き、調理師学校の夜間部に通って調理師免許を取得。現在は学生時代から続けていたカメラの経験を活かし、主にカメラマン・ライターとして活動中。また、いちご農家のアシスタントとしても働いている。

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