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“誰もが楽しく旅ができるふくしま”へ【心のバリアフリー おもてなし講座】レポートVol.1

日本人の約3人に1人が高齢者や障がい者の今、私たちにできること

バリアフリーと聞いて真っ先に頭に浮かぶのは、肢体に障がいのある人や高齢者、妊婦、視覚や聴覚に障がいのある人などに対する設備などハード面のバリアフリーですが、知的・発達障がいがある人も生活の中に不便があり、ソフト面でのバリアフリー化や配慮が必要です。

バリアフリーとは、多様な人々が社会に参加する上での不便や障壁(バリア)をなくす(フリー)こと。福島市は「誰にでもやさしいまち ふくしま」の実現を目指し、ハード・ソフト両面のバリアフリーに取り組んでいます。

今回は2023年2月7日(火)「アクティブシニアセンターアオウゼ」で行われた、心のバリアフリー講座に参加したレポートをお届けします。

2022年に初代グランプリ受賞! 心のバリアフリーに尽力する福島市

講師を務めたのは「ふくしまバリアフリーツアーセンター(以下、バリフリセンター)」センター長の、佐藤由香利さん。自身も体に不自由がありながら「いろんなところに出かけたい!」「助けられるばかりでなく、誰かの役に立ちたい!」との思いから、現在の仕事に就きました。

バリフリセンターは、JR福島駅西口の「福島市観光案内所」内にあります。2021年9月に、東北で初となる「観光施設における心のバリアフリー認定制度」の認定を観光庁から受けており、バリアフリー対応・情報発信に積極的に取り組んでいる施設です。

福島市観光案内所。旅行者はもちろん、市民もお気軽にどうぞ

施設内のレイアウト。時期によって変更あり

県内のバリアフリー観光情報発信や施設のバリアフリー化改修アドバイス、「心のバリアフリー」普及活動などを行っており、昨年(2022年)には名誉ある賞を受賞!

観光からより良い社会をつくる「JAPAN TRAVEL AWARD 2022」の初代グランプリに輝きました。全国から総数76件のエントリーがあり、なんと、審査員の満場一致で決まったそうです。

こちらも併せてどうぞ。

観光から多様な社会をつくる「JAPAN TRAVEL AWARDS 2022」でグランプリを受賞!
やさしさに溢れた観光を目指して(動画)

 

誰もが「みんなと一緒に楽しく旅行がしたい」思いはひとつ

市内の観光業従事者を中心とした約40名(オンラインも含め)の参加がありました

今回の講座は、障がいのある人への手助けや声掛けといった「心のバリアフリー」対応に焦点を当てた、観光業者向けの内容です。さまざまな障がいのタイプの方がどのような場面で不安や不便を感じるのか、どのような配慮をすると良いのかという接し方のポイントについて、わかりやすく説明してくれました。

今回の講座のねらいは大きく分けると、以下の2つです。

1.さまざまな障がいの特性

「障がいがある」といっても、心身機能の障害はそれぞれ違います。

例えば聴覚障害の場合、まったく聞こえない(ろう者)のか、聞こえにくい(難聴)のか、片耳だけ聞こえないのかなどの違いがあります。さらに、聞こえないけれど話すことができる、手話ができる(もしくはできない)など、できることもさまざま。

実は、手話が使える聴覚障がい者は全体の約15%ほどなのだそうです。

とはいえ、お互いを尊重するマナーとして簡単な日常会話程度は使えるようになりたいですよね。心の距離もグッと近づきそう!

講座の中では、動画を視聴しながら手話を練習する場面もありました

2.観光サービスの現場で即活かせる知識・対応力

「ちょっと」や「ちゃんと」など、絵にするのが難しい言葉は伝わりづらい言葉だそう

見た目ではわかりにくい障がいもあります。知的障害や発達障害などがそれに当たり、初めての場所や環境でパニック状態になることも。
そんなときは、他の人と離れた静かな場所など、落ち着ける環境(パーテーションで仕切るのも可)に案内するのがよいとのこと。

バリアフリーというと、スロープやエレベーターを整備するような大掛かりなものを思い浮かべていましたが、パーテーションで仕切るくらいならすぐにでもできそうですね!
そういった実践的な例を、すでにバリアフリー対応を行っている施設の実例を見ながら共有、理解を深めていきました。

当日の資料の1枚。バリアフリー化されている福島市内の温泉旅館

障がいのある人や高齢者は、特別扱いされたいと思っているわけではない

それぞれの障がいの特性を理解して、その人の目線になって周りを見てみると、何がバリアになっているのかが分かってくるのではないでしょうか。

障がいのある人や高齢者は、特別扱いされたいわけではなく、自分らしく楽しむこと、みんなと一緒に同じようにしたいと思っているだけなのです。

福島市では、障がいがある人も使いやすいように少しずつハード面のバリアフリー化が広がってきています。しかしソフト面のバリアフリー化は、一人ひとりの意識が必要になってきます。

佐藤さん
「バリアフリー(ハード整備)の認知度は約8割と高い一方、 心のバリアフリーの認知度は約4割と低い現状があります。手助けする考えはあるんだけど、行動に移していない。理由は、方法がわからないが3割、迷惑になるが4割。
障がい当事者など、困っている方も自ら『手を貸してほしい』と言えて、手助けしてくれる優しい方が街中にあふれる福島市にしたいです」

現在、日本人の約3人に1人が高齢者や障がい者という時代になりました。

心のバリアフリーは、周りの人がどんなことに困っているのか「知ること・気づくこと」が大事。無関心や他人事ではなく、気づいて声を掛けることが心のバリアフリーにつながります。

私たちは少しおせっかいな気持ちを持って生活し、誰にでも優しい街にしていきたいですね。

こちらもご参照ください。

ふくしまのおもてなし冊子(入門編)

今後の講座スケジュール

今回の講座は、ご高齢の方や障がいのある方も含めたすべての方に安心して福島の旅を楽しんでいただくため、さらなるおもてなしの向上を目的として開催するものです。

  • 第 1 回:2月7日(火) ⇒終了
  • 第 2 回:2月15日(水)高齢者疑似体験 ⇒終了
  • 第 3 回:2月27日(月)知的障がい・発達障がい疑似体験 ⇒終了
  • 第 4 回:2月末 動画配信開始
    観光庁「観光施設における心のバリアフリー認定制度」の申請について(YouTube)

観光庁の「観光施設における心のバリアフリー認定制度」の認定取得を目指している観光業者は、この講座を受講することで、認定基準の1つ(バリアフリーに関する教育訓練を年に1回以上実施している)を満たすことが可能です。

また今後、こうした取り組みを県内外へも広く展開していくため、引き続き第3回・4回の取材も受け付けております。マスコミ等報道関係の方々はぜひご検討ください。

心のバリアフリーおもてなし講座(入門編) 開講のお知らせ

出前講座も開催します

一般市民の方向けには出前講座を行っています。他人事とは考えず、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか?

「心のバリアフリー出前講座」のご案内

心のバリアフリー冊子(PDF)

 

ふくしまバリアフリーツアーセンター基本情報

【案内窓口】

所在地:〒960-8031 福島県福島市栄町1-1 JR福島駅西口2階(福島市観光案内所内)
電話番号:024-531-6428 /FAX:024-531-8165
営業時間:9:00~18:00
E-mail:annai-ni@f-kankou.jp

【事務所】

所在地:〒960-8061 福島県福島市五月町10-17 酪農会館303 (福島市観光コンベンション協会内)
電話番号:024-563-5554 / FAX:024-563-5915
営業時間:9:00~18:00 (土日祝定休)
E-mail:kankou@f-kankou.jp 

木俵麻樹子(きだわらまきこ)

レギュラーライター

木俵麻樹子(きだわらまきこ)

福島市出身。郡山市在住。出版社や企業の広報部などで経験を積み、結婚を機に夢だったフリーライターに転身。現在は、県内で販売している福島の情報誌や観光情報WEBマガジンなどにも執筆している。お店や宿の紹介から、住宅関係の記事までオールジャンルの記事に対応可能。パワフルな三兄弟の母として、ママ友もゆるっと募集中♪

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