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視覚障がいのお客様おもてなし講習会開催! 福島市「心のバリアフリー」の取り組み
誰もが安心して過ごせる福島へ! お店の人たちが学ぶ「おもてなしの裏側」に密着
街なかやお店で白杖を持った方を見かけたとき「何かお手伝いできることはあるかな?」「でも、どう声をかけたらいいかわからない……」と迷った経験はありませんか?
実は、福島市の飲食店や観光・宿泊施設などで働くスタッフの方々の中にも「力になりたいけれど、どうサポートするのが一番良いのだろう?」と、視覚に障がいのある方に安心してもらえる対応を模索している方が多くいます。
接客現場で感じるそんな「どうしよう?」という戸惑いは、正しい知識と方法を知るだけで「おもてなしの自信」に変わります。
無意識の「心のバリア」を取り除き、誰もが安心して滞在できる福島市を目指すため、2026年7月6日に「視覚障がいのお客様 おもてなし講習会」が開催されました。
今回は、福島市全体のホスピタリティ向上に向けて真剣に学ぶ、現場の皆さんの姿を取材してきました!

市内の宿泊・観光・飲食店などから約30名が参加した会場の様子
目次
「どうしよう?」が自信に変わる! 当事者から学ぶサポートの基本
一般社団法人福島市観光コンベンション協会主催、福島市の後援で開催された今回の講習会には、市内の宿泊施設、観光施設、飲食店などでお客様に対応するスタッフの方々を中心に、30名近くが参加しました。
講師を務めたのは、福島県立視覚支援学校の先生お二人です。

講師を務めてくださった福島県立視覚支援学校の渡邊寛子先生(左)と加藤彩先生(右)
第一部では、ご自身も全盲の当事者である渡邊寛子(わたなべ ひろこ)先生が登壇。
お一人で出張や宿泊をされることも多いという実体験を交え、当事者だからこそ分かる「本当に求めている嬉しい配慮や、リアルな本音」について講話が行われました。
印象的だったのは、“最初の声がけ”についてのお話です。 お客様に声がけする際、つい「大丈夫ですか?」と声をかけてしまいますが、実は視覚に障がいがある方にとっては、状況が分からず答えに困ってしまう「NGワード」なのだそう。
「声をかける際は、自分が何者なのかを名乗った上で『何かお手伝いしましょうか?』と声をかけてもらえると、どこの誰だろう? という不安がなくなり、頼みやすくて安心します」というリアルな声に、参加者の皆さんは熱心にメモを取っていました。

当事者ならではの実体験や本音に耳を傾け、メモを取る参加者の皆さん
一方で、「障がいがあるからといって、常にお手伝いが必要なわけではない」というハッとさせられるお話も。一度環境に慣れれば自力でスムーズに動ける方も多く、良かれと思っての過剰な声かけやサポートが逆に負担になってしまうこともあるそうです。
むやみに手を貸すのではなく、そっと見守りながら「困っていそうなとき」にスッと「何かお手伝いしましょうか?」と声を掛ける。そうしたさりげない配慮こそが、本当の意味での「あたたかいおもてなし」に繋がるのかもしれません。
実践で学ぶ「言葉と動き」のサポート
第二部では、同じく福島県立視覚支援学校の教諭で、日頃から視覚に障がいのある子どもたちと接している経験豊富な加藤彩(かとう あや)先生により、サポート技術のレクチャーが行われました。
基本の「手引き」の体験では、NG例と共に、安心してもらえる声の掛け方や誘導方法を学びました。参加者を代表して「ウェディング エルティ」の佐藤さんが手引きのサポートに挑戦!
強引に手を引くのではなく、自分の肘や肩を相手に握ってもらい、半歩前を歩くという安心感を第一に考えたていねいな動作の大切さを、参加者全員で確認しました。

参加者を代表して「ウェディング エルティ」の佐藤さんが手引きのサポートに挑戦!
また、お膳を時計の文字盤に見立てて位置を具体的に伝える料理の説明方法「クロックポジション」では、福島市民にもおなじみの「味処大番」さんのメニュー写真をお手本に、具体的なコツが紹介されました。
参加者を代表して、「味処大番」の酒井店長が、10品以上もの器が並ぶお膳のクロックポジション説明の実演に挑戦!

参加者を代表して、クロックポジションの実演に挑戦した「味処大番」の酒井店長
「11時の方向に火のついているすき焼きが、そのすぐ右隣には南蛮漬け……。6時の方向に割りばし、7時の方向にご飯」など、ていねいにお膳を説明。
お盆の上に12皿もセットされた複雑なお膳でしたが、位置を時計に例えて具体的に説明することで、視覚に障がいがあるお客様が「どこに何があるか」を把握し、安心して食事を美味しく楽しむための方法について、参加者の皆さんは熱心に学びを深めました。

前に集まり「クロックポジション」を学ぶ参加者の皆さん
街全体で、誰もが安心して過ごせる福島市へ
講習後の質疑応答では、接客現場のリアルな疑問や、さらに踏み込んだ対応方法についての質問が飛び交い、参加者の皆さんのホスピタリティに対する熱意がひしひしと伝わってきました。

講習後の質疑応答。それぞれの接客現場を想定した具体的な質問が交わされました
講習会の感想を「リッチモンドホテル福島駅前」の押切総支配人に伺うと、「客室のテレビをつけたときに最初に出る『インフォメーション画面』。健常者には便利な画面ですが、視覚に障がいがある方にとっては、そこからどう操作してテレビ番組に切り替えればいいかわからず、見るのを諦めてしまうというお話にはハッとさせられました。設備が最新になる一方で、盲点になっていた部分です。今日気づけたことを持ち帰り、すぐに従業員みんなで共有したいです」
街全体が優しさに包まれる場所へ。7月の全国大会、そしてその先へ
2026年7月30日、31日には、福島市で「第101回 令和8年度 全日本盲学校教育研究大会・福島大会」が開催され、全国から多くの視覚に障がいがある方々が来訪されます。
この大会はもちろんのこと、日頃からすべてのお客様が安心して福島市での時間を過ごせるよう、市内の施設ではこうして、設備面だけでなく迎える側の配慮と思いやりで無意識のバリアを取り除く「心のバリアフリー」の推進に取り組んでいます。
そんな思いやりが広がり続けている福島市へ、自慢の美味しいお料理や温泉、そして磨き上げられた「おもてなし」に出会う旅へ出かけてみませんか?