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お肉が買える自動販売機?! 二本松で出会った「ステーキガチャ」にチャレンジしてみた

「エム牧場」の挑戦と、震災を越えて続く「福島で牛を育てる」という選択

自動販売機で購入する様子

二本松市の国道4号線から少し入った道沿い。車内から、ふと視界に入ってきた一台の自動販売機がありました。
よく見ると、そこに並んでいたのは……お肉!!

中でもひときわ目を惹き、気になるのが「ステーキガチャ」のボタン

販売機の極ステーキガチャ
この、ちょっと楽しそうで、思わずチャレンジしたくなる「お肉の自動販売機」を設置しているのは、二本松市内の「エム牧場」
今回お話を聞いてみたいと、牧場にお邪魔してきました。

そこで聞いたのは、震災から15年、福島で牛を育て続けてきた人たちの力強い物語でした。

思わず足を止めてしまう「ステーキガチャ」の自動販売機

この自動販売機には、気になるお肉がずらりと並びます。サイコロステーキに、手ごねハンバーグ、ミックスホルモンなど……。

エム牧場、肉の自動販売機
中でも注目は「極ステーキガチャ」1回3,000円

ヒレ、サーロイン、リブロース、ミスジの中から2種が出てくる、とってもお得なステーキガチャです。必ず3,000円以上のお肉が入っていて、時には5,000円超えなんてこともあるそうですよ!

「今日はちょっといいお肉を食べたいな」という日にぴったり。仕事帰りに立ち寄る人や、お酒と一緒に楽しむために選ぶ人も多いそうです。

自動販売機の向こうにあった「エム牧場」という場所

このお肉の自動販売機を設置しているのが、二本松市で牛の飼育から加工、販売までを一貫して行うエム牧場です。

エム牧場は現在、福島県内に9か所、宮城県に2か所、岩手県に4か所の牧場を持ち、およそ2,500頭の牛を飼育しています。
これまでの畜産業の常識にとらわれすぎることなく、試行錯誤を重ねて生まれた独自の飼育方法で育てた牛を自社で加工し、全国へ届けています。

牛
牛

この販売機、最初から今のかたちだったわけではありません。
当初は販売機をトラックに載せ、各地を回る「移動する自動販売機」としてスタートしました。まずは多くの人に、エム牧場の牛肉のおいしさを知ってもらいたい。そんな思いから生まれた工夫でした。

営業時間に縛られず、誰でも気軽に立ち寄れて、手に取りやすい価格で高品質な牛肉が買える自動販売機は、今では多くの人に知られる存在となりました。

震災後、社長に。「福島で続ける」という選択

エム牧場の代表・吉田和(よしだやまと)さんが社長に就任したのは、東日本大震災後のことでした。

エム牧場の吉田社長

エム牧場 代表取締役 吉田和さん

当時、福島の畜産業は、これまで経験したことのない困難に直面していました。
「福島の牛はいらない」そう言われることも珍しくなく、市場での評価は一気に落ち込みました。先が見えない状況の中で、廃業を選ぶ牧場も少なくなかったといいます。

それでも吉田社長は、福島で牛を育てることをやめませんでした。福島だけに頼らず、宮城県、岩手県へと牧場を広げ、東北全体で牛を育てる体制を整えていきます。

そんな中で取り組みを始めたのが、短角牛の雌牛と、黒毛和牛の雄牛を自然交配させて生産する「短黒牛(たんくろぎゅう)」の開発です。
程よい脂分と、赤身の旨みをしっかりと感じられる牛肉を目指し、時間をかけて試行錯誤を重ねてきたといいます。

福島の牛だから欲しいって言われるものをつくりたい!」そんな強い思いを胸に、続けてきた挑戦でした。

とても希少な短黒牛ですが、料理人たちの口コミから評判が広がり、今では全国の一流レストランや高級スーパーからも求められる存在になりました。

吉田社長の思いが実り、かつては敬遠されていた「福島の牛」が、「福島の牛だからこそ食べたい」と言われるようになったのです

この日の朝生まれたばかりの短黒牛の赤ちゃん

生まれたばかりの短黒牛の赤ちゃん

「失敗するかもしれない、という不安はなかったのですか?」
そう尋ねると、
「それを心配していたら、何もできないでしょう?」
と、吉田社長は笑って答えてくれました。

その言葉には大きな覚悟と、積み重ねてきた時間の重みが感じられました。

「仕上げは山で」吉田社長が挑み続ける、新しい牛づくり

震災を越えた今も、エム牧場の挑戦は続いています。
吉田社長が次々と取り組んでいるのが、これまでの畜産業の常識にとらわれない牛づくりです。

そのひとつが「生体熟成和牛」の生産です。経産牛と呼ばれる、子牛を産んだあとの雌牛のことですが、一般的に経産牛は脂身が少なく肉が痩せているとされ、「ハンバーグにしかならない」と言われてきました。

そんな経産牛に、吉田社長は価値を見出しました。「子どもを産んだお母さんでも、ちゃんと食べさせて再肥育すると、立派なお肉になっていくんです」そう話す吉田社長の言葉通り、これまで廃棄されることも多かった経産牛が「おいしい肉」として食卓に届けられるようになりました。

牛の命を大切にするだけでなく、食品ロスを減らすという意味でも、今の時代に合った挑戦だと感じました。

エム牧場の生体熟成和牛

さらに昨年からは、岩手県釜石市での放牧肥育にも取り組んでいます。雪の降らない季節の半年間だけ山の牧場に牛を放し、草を食べながら自由に過ごさせる飼育方法です。牛舎の中で餌を与えて仕上げるのが一般的な中、吉田社長はあえて真逆の道を選びました。

「仕上げは山で」

大自然の中で、好きな時に寝て、草を食べ、ストレスの少ない環境で育った牛たち。牛にとってはストレスフリー、牧場としてもコストを抑えられるという仕組みなのだそう。

そして料理人や消費者にとっては「変わった飼い方」が新しい価値として受け止められています。東京などの飲食店では、この「山で仕上げた牛」が話題となり、高い評価を得ています。

いよいよステーキガチャに挑戦

それでは、いよいよステーキガチャ体験レポートです。まずは、3,000円の「極ステーキガチャ」に挑戦です。
ボタンを押して、何が出るかな……?

自動販売機で購入する様子

オープン!

極ステーキガチャ購入品(ヒレステーキとサーロインステーキ出ました!)
なんと、出てきたのはヒレステーキとサーロインステーキ。「わぁ~!」と思わず声が出てしまいました。

お値段を確認して、さらにびっくり。ヒレステーキが2,808円、サーロインステーキが2,613円。
(※もちろん、事前に仕込んでもらったわけではありません)

すっかり盛り上がったところで、今度は、もっと気軽に楽しめる1,000円の「ミニステーキガチャ」にもチャレンジ。

販売機のミニステーキガチャ
こちらから出てきたのは……

ミニステーキガチャ購入品(サーロインステーキ)
なんと、またしてもサーロインステーキが! お値段は2つセットで2,412円でした。
1,000円ガチャで、お値段倍以上のお肉が出てくるとは……。

これは、ついもう1回押したくなってしまいます。

他にも、ホルモンやサイコロステーキ、手ごねハンバーグなど、気になる商品がずらり。気づけば、あれこれと買い込んでしまいました。

ホルモンミックスとサイコロステーキ

ホルモンミックス500円・サイコロステーキ1,000円

手ごねハンバーグ

こだわりの手ごねハンバーグ2個入800円

そして自動販売機のお隣には、酒店「勢州屋二本松店」があります
お店の方にステーキに合うワインを相談すると、ぴったりのワインを紹介してくださいました。

勢州屋酒店でおすすめいただいたワイン

お肉とワインを、同じ場所で選べるのも嬉しいポイントです。ワインを買いに来た人がお肉を買い、お肉を買いに来た人がお酒を選ぶ。自動販売機は、人と人、店と店をつなぐきっかけにもなっていますね。

勢州屋二本松店外観

ステーキガチャをきっかけにエム牧場のことを知れば、「また食べたい」「ほかの商品も試してみたい」と思う人も多いはず。
エム牧場のお肉は、自動販売機のほかにも、二本松市内のスーパー「ショッピングセンターいわしろ」で購入することができます。

ショッピングセンターいわしろの店外「短黒牛」ののぼり
ショッピングセンターいわしろで販売する短黒牛肉

また、二本松市をはじめとした自治体の「ふるさと納税返礼品」としても取り扱われており、福島市内ではコラッセふくしま内の「福島県観光物産館」でも取り扱いがあります。

エム牧場のこれから

エム牧場を訪れてまず感じたのは、これまでの牧場のイメージとは少し違い、若い従業員が多いことでした。

「自分のやり方は、なんでもオープンにしています」
と話す吉田社長のもとには、全国から見学や研修に多くの人が訪れているそうです。

これまで培ってきた経験を土台にしながら、短黒牛、生体熟成和牛、放牧肥育など、新しい挑戦を次々と形にしてきたエム牧場。その姿勢は、畜産のあり方そのものを、少しずつ更新しているようにも感じました。

「ただ踏襲するだけではつまらない。教科書は破り捨てました」
そんな言葉が似合う吉田社長が、次にどんな取り組みを仕掛けてくるのか。これからもエム牧場から目が離せません。

エム牧場の吉田社長と牛
ステーキガチャの自動販売機は、そんなエム牧場と出会うための入口。面白そう、と立ち止まり、買って食べてみて「おいしい」と感じる。
その先に、牛を育てる人たちの思いや、福島で続けてきた時間があることを、少しでも知ってもらえたら嬉しいです。

詳細情報・店舗情報

エム牧場 精肉加工専門店 熟成舎

住所 福島県二本松市亀谷1丁目149-1 
TEL 0243-24-8580
電話受付時間 9:00~16:00
定休日 土・日・祝日
HP/SNS 公式HP
公式Instagram

勢州屋(せいしゅうや)

住所 福島県二本松市上竹2丁目268
TEL 0243-22-3535
電話受付時間 10:00~21:00
定休日 月曜日(月に1回)
HP/SNS 公式Instagram

ショッピングセンターいわしろ

住所 福島県二本松市西勝田字立坂57-2
TEL 0243-55-2211
電話受付時間 8:30~20:00
定休日 元旦・ほか年1日~2日臨時休業あり
HP/SNS HP

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