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見るたび気になる、国道沿い「訳ありサラミ」看板の店に行ってみた!
国道114号沿い・創業100年の老舗酒店「湯野川商店」の人気商品
福島市から飯野町へ向かう国道114号線。立子山ののどかな風景の中で、突如目に飛び込んでくる「訳ありサラミ」の文字。
「え、サラミ?」「訳ありって?」思わず二度見してしまう、あの看板の正体がずっと気になっていました。
今回、その看板に導かれ訪れたのは、福島市立子山にある酒店「湯野川商店」。
お店で実際に話を聞いてみると、そこには創業100年を迎える老舗ならではの歴史と、時代を生き抜くための柔軟な発想がありました。
目次
創業100年、地域に根付く「湯野川商店」の歩み
「湯野川商店」は、来年創業100年を迎える老舗酒店。現在の店主は3代目・湯野川政弘さんです。
地域の人たちの暮らしを支える酒屋として、地元に深く根付いてきたお店です。「お酒を買うなら湯野川商店」そんな存在として長く歴史を刻んできました。
しかし、東日本大震災、そしてコロナ禍。酒類の需要が落ち込み、酒屋を取り巻く環境は大きく変わりました。
お酒がなかなか売れない時代の中で、湯野川さんは新たな道を模索し始めます。

店主の湯野川政弘さん
山形で出会った「おやつ文化」が転機に
転機となったのは、山形県・米沢を訪れたときのこと。
そこで目にしたのが、サラミやジャーキーをおやつとして食べる文化でした。
おやつとしてはもちろん、ごはんのおかずとしても食べられている。
さらに、この地域には工場も多く、製造過程で「端っこ」「丸まったもの」「潰れたもの」など、正規品にならない商品(B級品)が出ることを知ります。
「味は変わらないのに、基準を満たさないだけで表に出ない。それなら、うちで売れないだろうか……」
こうして始まったのが、「湯野川商店」の訳ありサラミ販売でした。

湯野川さんオリジナルの手描きポップは、サラミと同じく味わい深い
B級品から「無選別加工商品」へ、独自の商品づくり
当初は、いわゆるB級品を中心に販売を始めました。すると、お酒と一緒にサラミを買うお客さんが増え、店頭で人気商品になっていきました。次第にB級品だけでは数が足りなくなっていき、湯野川さんは製造工場に直接相談に行きます。
こうして生まれたのが、「湯野川商店」オリジナルのサラミ。正規品とB級品を分けずに袋詰めする「無選別加工商品」です。
選別せず、パッケージも簡素にすることで、価格を抑えられ、ボリュームもアップしました。

オリジナルの無選別加工商品。お客さんの声に応えて辛口タイプや、さらにお得な大袋も登場
また、他ではなかなか見かけない馬肉ジャーキーや米沢牛スープ入りのサラミなど、ここでしか出会えない商品も並びます。
特にB級品は毎回同じ商品があるわけではありませんので、見つけたらラッキー! 即買い必須です。

実際に買ってみた。訳あり商品は「見た目」も楽しい
気になる商品がいっぱい! 私も早速買い物を開始しました。まず手に取ったのは、一番人気というドライソーセージの大袋。
500gで1,080円という価格に、正直ちょっと驚きます。
スーパーで買うものだと、キレイに個包装されていて、袋をあけてみると「あれ、これだけ?」なんてこともありますよね。この量なら思う存分楽しめるのではないでしょうか?

ドライソーセージ大袋/500g(1,080円)
袋を開けてみると……、ありました!
はしっこ、曲がったもの、太さが不揃いなもの。まさに無選別。そして、その中にひときわ目を引く一本が。きれいにカーブした形は、なんとアルファベットの 「U」。

福島市飯野町といえば、言わずと知れた UFOの里。
そのすぐ隣、立子山にある「湯野川商店」で出会った「U字型サラミ」。湯野川さんはこのサラミを「UFO サラミ」と名付けています。

無選別だからこそ出会える、こんな小さな遊び心も、訳あり商品の楽しさのひとつです。
見た目が違うだけで、香りも味も、しっかりサラミ。むしろ、形がバラバラなのがちょっと楽しいですよね。
もうひとつ、ぜひおすすめしたいのが、訳あり馬肉ジャーキー。
これも訳ありですが、「どこが訳あり?」と思うほど見た目も気になりません。
馬肉ならではの旨みがぎゅっと詰まっていて、噛むほどに味が広がるタイプ。それでいて後味はさっぱり。食べ始めると止まらなくなり、我が家では子供たちにあっという間に食べつくされてしまいました。

数量限定の馬肉ジャーキー/200g(1,080円)
お酒との相性も言うまでもなく、ビール、日本酒、焼酎……どれでも合うこと間違いなしです。
もちろん「湯野川商店」は酒店ですから、お酒も各種豊富に並びます。何を選ぶか迷ったら、ぜひ湯野川さんにご相談くださいね。

気になる看板の先にあった、ちょっと嬉しい寄り道
「訳ありサラミ」の看板に誘われて立ち寄ってみた「湯野川商店」。
そこは思っていた以上に、お得で、美味しくて、楽しい場所でした。
来年で創業100年を迎える湯野川商店は、昔ながらの酒屋さんでありながら、時代に合わせて少しずつ形を変えてきたお店。
湯野川さん自身が「いい」と思ったものを、工場やメーカーと直接やりとりしながら販売しています。
次に国道114号線を通るときは、あの看板を目印に、ぜひ気軽に立ち寄ってみてください。
きっと、誰かに話したくなる「訳あり」な商品との出会いが待っています。

湯野川商店 詳細情報
| 住所 | 福島県福島市立子山字笠松54-1 |
|---|---|
| TEL&FAX | 024-597-2017 |
| 営業時間 | 9:00~18:00 |
| 定休日 | 不定休 ※年末年始の営業(1月1日のみ休み) |
| 駐車場 | あり |
| HP/SNS | Instagram オンラインストア |
| yunokawa1954@yahoo.co.jp |
