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2機の飛行機が華麗に競い合う、世界初! 空のブレイキン!!「WINGS 2025」を観てきました
10/12 ふくしまスカイパークで開催された、世界初のエアダンスバトル
2025年10月12日(日)、ふくしまスカイパークにて「WINGS 2025」が開催されました。
福島を拠点に活躍するエアレースパイロット・室屋義秀さんが挑む「世界初! 空のブレイキン!!」エアダンスバトルとはどんなものだったのでしょうか⁈
WINGS 2025ではほかにも豪華アーティストによる音楽ライブや、FMX(フリースタイルモトクロス)、キッチンカーや物販ブースの出店も。
航空ファンはもとより、ご家族連れの皆さんも一日楽しめるイベントで、福島市内だけでなく宮城や関東圏からも多くの方が訪れていました。
今回も写真多めでご紹介しますのでぜひご覧ください。早くも来年の開催が楽しみです!
目次
スケジュール変更のハプニングで、ラッキーも
10月12日当日は、前日の雨が止んだとはいえ低く雲が垂れ込め、飛行には向かない悪天候。ふくしまスカイパークの目の前にある山の上半分は雲がかかって見えない状態でした。
9時半にイベントスタートの予定が天候の回復を待って30分ほど遅れ、最初に予定されていたパラシュートでの降下がなしになるなど、プログラムが変更になるハプニングも。
そんな中、ファンサービスで会場を和ませてくれたのが、エアダンスバトルで室屋選手と対決するアーロン・デリュー選手。
アーロン選手(オーストラリア)は、今年「AIR RACE X」に初参戦し、シリーズランキング3位を獲得した新進気鋭のパイロットです。

格納庫前で記念撮影に応じてくれるということで、あっというまに順番待ちの長い列が。
飾らない笑顔と明るく楽しい人柄が偲ばれる対応に、さらにファンが増えたのではないでしょうか。
「空のブレイキン」世界初のエアダンスバトルとは
今回のイベントの目玉はもちろん、室屋義秀さんが飛ぶ「エアダンスバトル」。イベントのサブタイトルには「空のブレイキン」とありました。
ブレイキンとは、昨年2024年のパリオリンピックで正式競技になった、DJがかけるノリの良い音楽に合わせてアクロバティックな動きで踊るブレイクダンスのことです。
ブレイキンの特徴は、ダンサーが交互に技を披露し合う「バトル」。
今回の「空のブレイキン」は、大空を舞台に世界のトップパイロットが音楽に合わせて行う、アクロバット飛行=エアダンスによる「バトル」です。私たち観客は、飛行機による「空のブレイキン」という世界初の試みに立ち合うことになるのです。

オープニングフライト
室屋選手・アーロン選手が交互に空港上空に登場し、それぞれ40秒のフライト×5ラウンドで、DJの音楽に合わせたエクストリームフライトを披露。
各ラウンドには、垂直系の競技、雄大な機動(飛行機の動き方)、曲技飛行特有のトリッキーな技、それらを組み合わせた自由演技などのテーマが設けられていて、審査員と会場のオーディエンスによる審査で勝者が決定します。
オープニングフライトから大迫力
少しずつ天候が回復してきて、WINGS 2025が始まりました。オープニングアクトとして福島スポーツアカデミーの皆さんによるチアダンスが会場をあたためてくれます。練習をがんばってきた娘さんの晴れ舞台を最前列で見守るご家族もいらっしゃいました。

福島スポーツアカデミーの皆さん

福島スポーツアカデミーの皆さんによるチアダンス
そしていよいよ室屋選手、アーロン選手が二人揃って飛び立つオープニングフライトです。
観客の皆さんの目の前でスモークを引きながら2機並んでテイクオフ!
翼が触れそうな距離での飛行、二人が信頼し合っていないとできませんよね。

もうこれだけでもかっこいいのですが、さらにビートの利いた音楽で会場のテンションが一気に高まります。
大迫力のフライトに、観客の皆さんから歓声が!

観客の頭をかすめるような超低空飛行

着陸後にファンサービスをしてくれる室屋選手。このあとスモークで真っ白に。
室屋選手とアーロン選手によるエアダンスバトルが始まる
エアダンスバトルが始まる頃にはお天気も回復して、青空が見えてきました。空に吸い込まれそうなアクロバット飛行が、それぞれ40秒×5ラウンド、これでもかと繰り出されます。
ノリの良い音楽ともピッタリ合っていて、気分爽快! 本当に楽しく魅せてくれました。

アーロン選手のフライト

室屋選手のフライト

アクロバット飛行を動画でも撮ってみました!
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オーディエンスジャッジと審査のゆくえは……
オーディエンスの審査には、青と赤に染め分けられたジャッジタオルが使われます。
「青」は室屋選手、「赤」はアーロン選手。5回のラウンドごとに、どちらのフライトがよかったかをタオルを振って意思表示します。

フライトを見て楽しむだけでなく、観客が審査員として参加できるのは、会場に一体感がありとてもよい試みだなと思いました。
ラウンドが終わり、それぞれの機体から降りた二人が健闘を称え合います。いや〜とにかくかっこよくて映画のワンシーンのよう! 観客の皆さんからも大きな拍手が。



そして審査員の審査とオーディエンスジャッジの結果、今回はアーロン選手の勝利となりました!
室屋選手は来年のリベンジを誓っていました。

FMXや音楽ライブ、キッチンカーなど、家族で楽しめる一日でした
今回のイベントで初めてFMX(フリースタイルモトクロス)を観ました。FMXについて少しだけ説明させていただくと、ジャンプ台を使ってバイクでジャンプし、空中でかっこいいトリック(アクション)を決める、という競技です。
「え? この距離をバイクで飛ぶの⁈」と驚くジャンプ台の高さと間隔(あいだは25mあるそうです)。ジャンプだけでもすごいのに、ジャンプしている3秒ほどの間にちょっと信じられないようなトリックの数々……。
アップの写真だと決めポーズのすごさはわかっても全体像が伝わりにくいと思いますので、引きでも撮ってみました。


体感では3秒間とは思えない迫力! 3名の選手の中には福島県内在住の方もいましたよ。
ほかにも、シンガーソングライターのRUNG HYANG(ルンヒャン)さん、ヒューマンビートボックスの世界チャンピオン・Jairo(ジャイロ)さんによるライブパフォーマンスや、地元・飯坂温泉や福島市、自衛隊の展示ブースやたくさんのキッチンカーの出店、子供向けのコーナーなど、家族みんなで楽しめる企画が盛りだくさんでした。

RUNG HYANGさんとJairoさんたちによるライブパフォーマンス

飯坂温泉名物が並ぶブースも賑わう

自衛隊のブースも人気

防災ヘリのデモフライトは、出動要請がありすぐに戻ることに。いつも安全のためにありがとうございます!

キッチンカーも多数出店

福島市・木幡市長も来場
また会場に、室屋選手の株式会社パスファインダーとともにイベントを主催した福島市の木幡市長も訪れ、「WINGSを年に一度の空のお祭りとして盛り上げていきたい。また室屋選手とともに取り組んでいる航空宇宙産業もこれから大きく育てていきたい」という挨拶がありました。
そしてラストには、オープニング時には天候不順によりできなかった「スカイダイビング」も披露されました。
空高く飛ぶ飛行機から飛び出した小さな姿がだんだん大きくなり、見上げる大空からふわりふわりと気持ちよさそうに降下してくる様子は、イベントの締めくくりにふさわしい、空へのロマンあふれる演出となりました。

スカイダイバーは女性です。本当に気持ちよさそう!
WINGS 2026の開催も楽しみにしたいと思います。皆さんもご期待ください。



