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飯坂温泉に新名物?! ラジウム玉子を使ったスイーツを味わえる新店「土論堂」がオープン
温泉街でふらりと立ち寄れる、レトロな雑貨や古本に囲まれたブックカフェ

福島市・飯坂温泉の名物「ラジウム玉子」は、温泉の湯でゆで上げる温泉卵。とろりとした黄身とやさしい味わいで、昔から福島市民や観光客に親しまれてきました。
そんなラジウム玉子が、なんとスイーツに変身! 新感覚の「ラヂウムチーズシェイク」を提供するのが、2025年5月にオープンした「おみやげ喫茶 土論堂(どろんどう)」です。
今回は、ユニークなお店と注目のメニューをご紹介します。
目次
飯坂温泉の駅前通りに生まれた「土論堂」
おみやげ喫茶 土論堂(以下、土論堂)があるのは、飯坂温泉駅から鯖湖湯へと続く駅前通り。まち歩きの途中にふらりと立ち寄りやすい立地です。


大きく取られた入口は開放感たっぷり。店内にはレトロな雑貨や古本、食器が並び、購入することもできます。国内外の蚤の市やフリーマーケットなどで集められたアイテムは、ほとんどが一点もの。まさに一期一会の出会いを楽しめます。


広い店内は、大小さまざまなソファや椅子がランダムに配置されていながらも、洗練された空間を生み出しています。コーヒーを片手に読書を楽しむ人、雑貨を眺める人など、それぞれが思い思いにくつろぎ、穏やかな時間が流れています。
趣味からお店へ。“好き”を分かち合う空間

お話を伺った、館長の明智茂さん
土論堂は、館長の明智茂さん(福島市出身)と、店長の重永優さん(神奈川県出身)のお二人でスタートしたお店です。
館長の明智さんは、県外でデザインや映像の仕事を経験したのち、2年前に福島市にUターン。趣味で集めた雑貨や古本を「誰かに見てもらいたい、シェアしたい」という思いが、開業のきっかけになりました。
店長の重永さんとは、大学時代に留学先で出会って以来の仲。明智さんは「重永さんはとても優秀な人で、一緒に仕事をしていて面白い」と話します。2年前に「こんなお店をやりたい」とコンセプトを伝えたところ、意気投合して二人三脚での開業が実現しました。
「最近の飯坂温泉は新しいお店が増えてきて、これからさらに盛り上がっていきそうだと感じました」そんな直感と期待感から、この地でのオープンを決めたそうです。
店名の「土論堂」は、明智さんが一番好きな漫画「ドロンちび丸(杉浦茂 作)」に由来。お店のロゴや空間デザインは明智さん自ら手がけ、店内のテレビでは自作の映像を放映。土論堂は、まさに明智さんの“好き”がたくさん詰まった空間なのです。
「ラヂウムチーズシェイク」などカフェスペースで楽しむ豊富なメニュー
店内のカフェスペースには、焼きたてピザやからあげ、枝豆など軽めのおつまみから、ケーキなどのスイーツまで幅広く用意されています。
コーヒーや紅茶、フルーツジュースなどのソフトドリンクに加え、4種のクラフトビールや重永さんセレクトのウィスキーなど、アルコールドリンクも充実しています。
「本を読みながらゆっくり過ごしてほしい」との思いから、特にドリンクメニューの種類を豊富に取りそろえているのだそうです。

「ラヂウムチーズシェイク」(税込750円 取材時)
中でも注目なのが、飯坂温泉名物の温泉卵「ラジウム玉子」を丸ごと1個使った「ラヂウムチーズシェイク」。多くのメディアで紹介され、今話題を集めています。
「飲むチーズケーキ」から着想を得て新メニューを試作していたとき、重永さんの「ラジウム玉子を入れたら面白いんじゃない?」という一言がヒントに。そこから生まれたのが、クリームチーズ・練乳・バニラアイスにラジウム玉子を丸ごと1個加えた、この新感覚のスイーツです。
最初は「どんな味なんだろう?」と少し身構えましたが、ひと口飲むと意外にも軽やかな甘さで、プリンやカスタードを思わせるまろやかさが広がりました。シェイクの上にトッピングされたクッキーの香ばしい食感が加わることで、甘さの中に変化が生まれ、満足感のある一杯に仕上がっています。
気軽に持ち歩けるスタイルで提供されるので、温泉街の散策にもおすすめです。

「ももピザ」(税込900円 取材時)。お好みでハチミツをかけていただきます
季節限定の「ももピザ」もいただきました。
地元の八百屋さんから仕入れた桃をたっぷり使用し、自家製ももジャムを塗った生地に、生の桃、クリームチーズ、くるみをトッピング。
ジューシーな甘みと香ばしさが絶妙に重なり合い、手が止まりませんでした。

「メキシカンから揚げ」(税込750円 取材時)
メニュー名に惹かれて注文した「メキシカンから揚げ」は、鶏肉をタバスコで仕込み、バターで仕上げたスパイシーな一品。パクチーの香りがアクセントとなり、ビールが欲しくなる味わいでした。
取材時は平日の昼下がり。私たち編集部のほかにも、ランチを楽しむ親子連れ、お一人でクラフトビールを飲みながら店内の本を読む方、ハイボールとから揚げを楽しむ方、雑貨を選ぶ女性グループ、スイーツを味わう家族連れなど、さまざまなお客さんが途切れることなく訪れていました。
世代を問わず愛される、温泉街の新しい憩いの場

夜は22時まで営業。店内の明かりが煌々と灯って、温泉街をやさしく照らします
明智さんによると客層は観光客が6〜7割、地元客が3〜4割で、若い人から年配の方まで幅広く、海外からも観光客が訪れているのだそう。多彩な客層に親しまれているのも納得の居心地の良さです。
明智さんに今後の展望を伺いました。
今後は女性に好まれるサラダや生春巻きなどのメニューを充実させ、冬にはぜんざいやりんごピザなど、季節感のあるメニューも提供していきたいです。
将来的には古物商の資格を取得し、古物市場から仕入れたアイテムの販売や、レトロ雑貨などの買い取りにも挑戦していきたいですね。
レトロな温泉街の景色と調和しながらも、遊び心を感じさせてくれる土論堂。飯坂温泉を訪れた際は、ぜひ立ち寄ってみてください。
おみやげ喫茶 土論堂 店舗情報
店舗名 | おみやげ喫茶 土論堂 |
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住所 | 福島市飯坂町十綱町9-2 |
営業時間 | 平日・土曜 13:00〜22:00/日曜 11:00〜19:00 |
定休日 | 火曜、毎月第3月曜 |
駐車場 | なし |
キャッシュレス決済 | 可 |
HP/SNS | 公式Instagram |