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福島市制作の動画が「クールジャパン・プラットフォームアワード2023」でグランプリ受賞!

出演した「ぼんさいや あべ」阿部大樹さんに聞く、吾妻山と五葉松盆栽のストーリー

このたび「クールジャパン・プラットフォームアワード2023」において、福島市が制作した動画が見事グランプリを受賞しました

今回は、動画に出演した「ぼんさいや あべ」の阿部大樹さんに、受賞の喜びの声や動画撮影の裏話、吾妻五葉松盆栽への想いなどのお話を伺いました。

どんな動画がどんな賞を受賞したの?

日本の魅力を発信する「クールジャパン」の動画や事業を募集し審査する「クールジャパン・プラットフォームアワード2023」において、福島市が制作した動画が、インバウンド※プロモーション動画部門でグランプリを受賞しました。
※インバウンド:外国人観光客を増やし、日本国内経済を活性化させることを目的とした戦略のこと

クールジャパン官民連携プラットフォーム(内閣府が設立)
https://www.cjpf.jp/

グランプリ受賞動画「BONSAI AZUMA GOYOMATSU」は、福島市で3代にわたり90年以上続く老舗の盆栽園「ぼんさいや あべ」と「吾妻五葉松盆栽」をテーマにした1分42秒のショート動画です。「ぼんさいや あべ」の3代目・阿部大樹さんが出演し、吾妻五葉松と盆栽、そして吾妻山の魅力を伝えるため吾妻小富士の火口壁で撮影されました。

五葉松(ごようまつ)は、その名の通り、5本の針状の葉が特徴的な松の一種です。阿部家は代々、吾妻山に自生する五葉松の姿をお手本に「吾妻五葉松盆栽」を数多く作り続けてきました。
「吾妻」は、盆栽の世界で「那須」や「四国」と並ぶ五葉松の日本三大産地のひとつとして名を馳せています。

吾妻五葉松盆栽を題材にした動画作品がこちら。

大樹さんに受賞の喜びの声をお聞きしました

動画に出演している阿部大樹さん

動画に出演している阿部大樹さん

―受賞を知った時の気持ちはいかがでしたか?

まさに「寝耳に水」のことで、とてもびっくりしました。
たくさんの人に動画を見ていただけたようで、お祝いの言葉をかけてもらっています。

―撮影チームについて教えてください

全員20代の若いチームで、アートディレクター、ドローン担当、カメラ担当などと、出演者の僕を合わせて6人で、吾妻山での撮影に臨みました。
彼らは事前に吾妻山や五葉松の歴史や阿部家の思いを勉強してくれていて、現場に行く前にZoomで何度も打ち合わせを重ねた上で、絵コンテやストーリーを作成。限られた撮影時間の中で、吾妻山や五葉松の魅力を最大限に引き出してくれました。
吾妻山の撮影には許可が必要になるため、現場をよく知っている僕が「ここからならこういう映像が撮れるよ」と、撮影のポイントをアドバイスしました。チームの一員として一緒に活動できて嬉しかったです。

―撮影当日はどんな雰囲気でしたか?

撮影日は2021年10月後半でしたが、吹雪いてとても寒い日でした。
実生(みしょう)55年の大きな盆栽を、吾妻小富士の火口壁の上まで男3人で交代しながら階段で運んだことは忘れられません。正直、撮影中は寒すぎて何も考えられませんでした(笑)
撮影が終わった後、浄土平駐車場へ降りた時は、顔が半分紫色になってましたね。

―とても大変な撮影だったのですね。それでは、今後の展望をお聞かせください

まずは、この動画をきっかけに「吾妻五葉松」をたくさんの人に認知してもらえれば嬉しいです

僕は20年以上、海外で盆栽の指導をしたり、外国の盆栽好きの人たちと交流をしてきました。賞を受賞したからといって、やることは大きく変わりません。

そもそも盆栽は、コアなファンは多いものの、国内外からたくさんの人を呼べるコンテンツという訳ではないですし、市内の盆栽園も高齢化で閉業するなど生産力が落ちて産地とは呼べなくなってきている現状もあります。

そうなると「吾妻五葉松」を福島市の盆栽ブランドとして価値を高めていくことが重要で、僕はここがスタートラインになると感じています。

ブランド化の具体的な例を挙げると、コロナ禍前まで僕が企画・開催していた吾妻山の五葉松自生地ツアーや盆栽合宿。県内外や海外からも興味がある方を募り、盆栽だけでなく吾妻山の歴史や文化にも触れてもらっていました。
こういった福島市独自の魅力的なコンテンツをみんなで考え、無理なく継続していける仕組み作りが必要です

―大樹さん、ありがとうございました。

初代から受け継がれる阿部家2つの教え

「吾妻五葉松盆栽」の文化を守り続ける「ぼんさいや あべ」。阿部家には初代から受け継がれてきた2つの教えがあります

1:種一粒から盆栽を育てる「実生(みしょう)」

阿部家の盆栽は、全て種一粒から盆栽に育て上げる「実生」という技法を採用しています。
阿部さんは毎年、吾妻山の自生地に入って種を採取し、計量して買い取っています。※1
一つの種が苗になり、盆栽になるまでにかかる年月は、少なくとも十年以上。苗の段階で針金かけをしたり曲付け※2 をしたりと育成をコントロールしながら、長い年月をかけて吾妻山の五葉松のような自然な姿に近づけていきます。

※1 阿部家は特別な許可を得て吾妻山に入山しています。
※2 曲付け:風情を出すために幹や枝を針金などで曲げること。

2:空間有美(くうかんゆうび)

空間有美

もう一つは、「ぼんさいや あべ」初代の倉吉さん(大樹さんの祖父)が提唱した「空間有美」という教え。
「空間には美しさがある」というそのままの意味で、大自然に自生する木の幹や枝葉の空間が有する美しさを、盆栽にそのまま表現することを阿部家では大事にしてきました。
厳しい自然環境で何百年と風雪に耐える吾妻山の五葉松は、荒々しい幹肌、雪の重みに負けじと上を向く枝、表土が落ちてむき出しになったゴツゴツした根っこ(=根上がり)など、力強い姿を見せてくれると大樹さんは語ります。

どうすれば自然の姿や形をそのまま盆栽に表現することができるか、大樹さんは日々模索しています。

盆栽屋3代目の使命は「種をまき続けること」

左がクロマツ、右が五葉松それぞれ実生3年目の苗木。五葉松は成長速度がゆっくりなのが特徴。

Zoomを使用した「盆栽のはじめ方」オンラインツアーを実施

大樹さん:
3代目の僕の使命は「種をまき続けること」だと思っています。
「実生」もですけど、「SNSなどで吾妻五葉松盆栽の正しい情報を発信し続けること」も大切です。

日本の五葉松三大産地に「吾妻」「那須」「四国」がありますが、昔から「福島(吾妻)は松の質が悪い」と言われ安く買いたたかれてきた歴史があり、60~70年経った今でもまだ誤解している人が多いそう。
「古い時代からの固定観念を変えるのではなく、日本や全世界の人に『ぼんさいや あべ』の今を正しく知ってもらって、阿部家の盆栽や吾妻山のファンを増やしたいです」と大樹さんは意気込みます。

大樹さんは阿部家の盆栽文化を広めるために、オンラインを活用した新しい取り組みにも挑戦。
「開園90年以上の老舗からお届け  “吾妻山の大自然から学ぶ” 五葉松盆栽のはじめ方」と題したZoomのオンラインツアーを2021年12月に実施しました。全国各地にいる参加者には吾妻五葉松の苗木をご自宅へ事前に送り、オンラインツアー中に「古葉刈り」という盆栽の手入れを参加者全員で行いました。

大樹さん:
オンラインは便利なツールですが、手軽に繋がることができる世の中だからこそ「見る」「聞く」「さわる」といったリアルな体験は貴重です。
その点では、阿部家の盆栽は生き物。すべてが体験につながります。その体験の提供は、今の時代を生きるぼんさいや「あべ」3代目の僕の役割だと思っています。

満員御礼の盆栽オンラインツアー詳細はこちらをご覧ください。
【ぼんさいや あべ】若者をも虜にする「吾妻五葉松盆栽」の魅力とは?

大樹さんの願い

吾妻五葉松

吾妻山に自生する五葉松

大樹さんは今回の受賞で「環境問題やふるさとの自然に関心を持つ人がもっと増えてほしい」と感じたそう。

「『おめでとう、大樹』 『盆栽ステキだね』と言ってもらえるのは嬉しいですが、その背景にある里山や自然、環境にも目を向けてほしいです。吾妻山は「宝の山」。みんなでこの自然をどうやって次世代に受け継いでいくかを考えるきっかけにしてほしいですね」と、大樹さんは期待しています。

ぼんさいやあべ

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齋藤幸子(さいとうゆきこ)

レギュラーライター

齋藤幸子(さいとうゆきこ)

2010年に福島市に転入。WEB制作会社→銀行窓口業務→大学広報補佐を経験。2児の子育てをしながら、2019年より「福島に移住・転入した女性が、福島の暮らしの情報を発信するサイト tenten」でライター活動をはじめる。現在はフリーライターとして各種WEB媒体で執筆中。主に地域情報や生活情報の発信を行ってきたが、観光ノートのライターになり取材記事の沼にハマる。写真撮影、画像編集、マップ作成なども行う。

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