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【ARIS2026市民講演会】福島から宇宙の深淵へ!250人がワクワクした壮大な元素の旅をレポート!

世界最高峰の科学が福島に上陸!最先端の宇宙と原子核のヒミツに、子どもたちの目が輝いた特別な一日

初夏の緑が美しい2026年5月31日、福島駅西口から徒歩約1分の場所にある「ホテル福島グリーンパレス」にて、とんでもなくワクワクするイベントが開催されました。

その名も、ARIS2026市民講演会「私たちはどこから来たのか? 元素創成の壮大な旅」

実はこの翌日の6月1日から、福島市の名湯・飯坂温泉を舞台に、世界中から原子核物理の専門家たちが集う国際会議「ARIS2026」が開催されています。ARISの日本開催はなんと2014年以来。
東日本大震災の原発事故から15年という節目を迎えた福島でこの国際会議が開かれることには、とても深い意味があります。

今回は、そんな世界最高峰の国際会議に先駆けて行われた、市民講演会の様子をレポートします。講師を務めた橘省吾教授や萩野浩一教授から、将来の科学者を目指す子どもたちへの熱いメッセージもいただきました!

理系じゃなくても大興奮! 会場を埋め尽くした250人の熱気

「原子核物理とか宇宙科学って、なんだか難しそう……」
そんなふうに思った方も安心してください。今回の市民講演会は、なんと約250人もの来場者で会場は超満員。

しかも面白いことに、来場者のうち「理系」の方は3分の1程度だったんです。文系の来場者、そして何より科学に関心がある小学生から高校生までの若い学生さんたちの姿がとても目立ちました。

【第一部】宇宙を旅する元素と小惑星リュウグウ

私たちの体、吸い込む空気、福島の美味しい果物を育む土壌。身の回りにあるすべての物質は「元素」からできています。「元素は、一体いつ、どこで、どのようにして生まれたの?」という、人類永遠の謎に迫る2本の贅沢な講演が行われました。

東京大学大学院 理学系研究科 宇宙惑星科学機構教授 橘 省吾 氏

トップバッターとして登壇したのは、宇宙化学が専門の橘省吾教授。
橘教授は、小惑星探査機「はやぶさ2」プロジェクトで、リュウグウの表面から石を採る係(サンプラー)や、地球に持ち帰られた石を分析する初期分析の中心人物として大活躍された、言わば「宇宙の探偵」です。

講演では、たくさんのスライドを使いながら、子どもたちにもわかりやすく語りかけてくれました。
地球から遥か遠く離れた小惑星「リュウグウ」から持ち帰った貴重な砂や石の破片。そこには、太陽系が誕生した約46億6700万年前の記憶がそのまま刻まれているのだそう!

宇宙を旅してきた元素たちが語る、太陽系形成のダイナミックな歴史に、会場全体が釘付けになっていました。

【第二部】原子核からみる元素たちのファミリーヒストリー

京都大学理学研究科物理学・宇宙物理学専攻教授 萩野 浩一 氏

続いて登壇したのは、原子核理論のフロントランナーである萩野浩一教授。

実は、萩野教授のおばあさまは福島市曽根田のご出身。先生ご自身も東北大学で准教授を15年ほど務められていた時期があり、「福島にもたびたび訪れていました!」という、とっても福島に縁のある先生なんです。

講演では「元素」のさらにミクロな世界のお話へ。世の中にある「すべてのもの」を限界まで細かく分解していくと、目に見えない小さな「粒」(原子)になりますが、萩野教授はその中心にある「原子核」という極微の世界を紹介してくれました。

原子の中心にある原子核は、目に見えないほど小さいのに、原子の重さのほとんどを占めているという不思議な存在。日本(アジア)初の新元素「ニホニウム」の発見エピソードや、目に見えない量子力学のルールがどうやって元素の性質を決めているのかなど、私たちの存在の根本に関わるお話を、ユーモアを交えてわかりやすく紐解いてくれました。

本物の隕石やリュウグウの破片が登場! 大興奮の交流会

「教科書の中だけじゃない、現在進行形の科学の熱量を感じてほしい」というこの講演会。2つの素晴らしいお話が終わったあとも、お楽しみは終わりません。

なんと、橘教授や萩野教授をはじめ、第一線で活躍する科学者たちと直接おしゃべりができる「交流会」が開催されました。

ここで橘教授が取り出したのは、隕石や、リュウグウから持ち帰った本物の破片!
これには子どもたちも大興奮。本物の宇宙の欠片を目の前にして、目をキラキラ輝かせながら先生の説明に耳を傾けていました。

素朴な疑問から将来の進路相談まで、トップクラスの科学者とダイレクトに言葉を交わせる、一生モノの貴重な時間となりました。

講演会に参加した子どもたちに直撃インタビュー

会場を訪れていた学生たちに、感想を聞いてみました!

福島市内 小学2年生の男の子
「先生のお話はちょっと難しかったけど、実際に隕石や『はやぶさ2』が持ち帰ったリュウグウの破片を見たり、実験を体験したりできて、すっごく楽しかった!」と、科学への記念すべき第一歩を笑顔で喜んでいました。

リュウグウの破片(中央)

実験を通して科学の面白さに触れる

福島県立福島東高等学校 科学・化学部 3年生の男子生徒
「専門性が高く初めて聞く話が多かったですが、特に『原子の種類によって効果が変わる』という原子核の話が、一番心に残りました」と、専門的な内容にも深い刺激を受けた様子。

東京都から参加した小学4年生の北川さん
なんと北川さんは、東京大学の学園祭で福島での市民講演会のことを知り、東京から駆けつけてくれました! 小学3年の終わりに、理科室でまだ習っていない「周期表」の元素記号を見て「面白そう!」と思ったのが、科学に興味を持つきっかけだったそう。
今回の講演会で、科学へのときめきがさらに深まったに違いありません!

未来の科学者たちへ。2人の教授から熱いメッセージ

最後に、橘教授と萩野教授から、未来を担う子どもたちへ贈られた素晴らしいメッセージをご紹介します。これが大人にとってもすごく深いお話でした……!

橘 省吾教授より、未来の科学者へメッセージ

普段の生活の中で「不思議だな」「なぜだろう?」という疑問をたくさん見つけることは、とっても大切だよ。

実は「勉強」と「研究」って、まったくの別モノです。勉強は「人がすでに知っている答えを習うこと」だけど、僕たちがやっている研究や科学は「世界中の誰も知らないことを、自分たちの手で“知っている”に変えること」。
だから、答えが決まっている勉強ばかり得意な人は、逆に「答えが分からない状態」を怖がってしまって、研究に向かないことだってあるんだ。

でも、じゃあ勉強をしなくていいかというと、それは違う。本当の科学を追いかけるためには「今、人類はどこまで分かっていて、ここから先が謎」という境界線を知る必要がある。そのために、やっぱり勉強も欠かせないんだよね。

大切なのは、ワクワクする「好奇心」と、土台となる「学力」の両方を持つこと。みんなも、日常の中のたくさんの「なぜ?」を大切に育てていってください。


萩野 浩一教授より、未来の科学者へメッセージ

科学や理科の枠にとらわれずに、いろいろなところに広くアンテナを張ってほしいなと思っています。国語や英語、社会といった理科以外の勉強も、将来どんな風に役立つか本当にわからないんだよ。

例えば一見、正反対にあるように思える物理学と哲学が、実は深いところで繋がることだってあるんだから。だから、最初から限界を決めずに、さまざまなことに興味を持ってみてください。

それからもう一つ大切なのは、一人で自分の世界に閉じこもらないこと。自分の研究だけに没頭するんじゃなくて、周りの人の話や、他の人の研究を「へえ、それ面白いね!」って思う姿勢を忘れないでほしい。

自分とは違う視点の中にこそ、新しい大発見のヒントが隠れていたり、一緒に面白いことを始めるきっかけが転がっていたりするからね。視野をぐっと広く持って、たくさんの「面白い」に出合っていってください。

おわりに

福島駅前で繰り広げられた、壮大な知の探求。
参加した子どもたちの表情を見ていると、ここ福島から世界へ、そして宇宙へと羽ばたく未来の科学者が生まれる日がとっても楽しみになりました!

ARIS2026開催にあたり、原子核物理国際会議組織委員で東京大学大学院 理学系研究科 原子核科学研究センター 青井 考教授が熱くインタビューに答えてくれているので、ぜひそちらもチェックしてくださいね。

福島市観光ノート編集部

福島市観光ノート編集部

福島市および近郊在住のライター、クリエイターで構成する編集チームです。企画、取材、撮影、構成、執筆、動画制作、地図製作、プレスリリースまでをこなします。DMO(観光地域づくり法人)のオウンドメディアとして、多彩な地域コンテンツでふくしまの魅力を様々な角度からお伝えしていきます。

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