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「保存版 ももまみれ図鑑2025」制作秘話――単なる「可愛いキャラ本」を超えて

あかつき以外にも魅力的な品種が多数! 生産者の桃への愛情と、その裏にある苦労にも思いを馳せてほしい

福島市のどこにいても気軽に桃を味わえる桃づくしのキャンペーン「ふくしまピーチホリデイ2025」。
キャンペーンの一環で配布中の「ももまみれ図鑑」はもうご覧になりましたか?

これは、たくさんある桃の品種を可愛らしく擬人化し、それぞれの特徴を紹介したもので、昨年版は早々に在庫切れになるほどの人気を博しました。今年は「保存版」としてさらに紹介品種を増やしてパワーアップ!

でも、この冊子には、単に「桃を女性にたとえてイラスト化した」という以上の意味が込められています
「ピーチホリデイ」企画立案者の一人で、「ももまみれ図鑑」の生みの親でもある、福島市観光コンベンション協会の金澤千裕さんにお話を聞きました。

ももまみれ図鑑の考案者 金澤千裕さん(中央)

品種ごとの特徴を人の個性にたとえて

――今年初めて「ももまみれ図鑑」をご覧になる方のために、誕生の背景を教えてください。

始まりは、2022年に初めて開催した「ピーチホリデイ」のお客様アンケートでした。お客様からも参加店からも、「桃は品種によって特徴が違うのに、“桃”とひとくくりにPRしているのはもったいない」「もっと品種ごとに紹介してほしい」という声が本当に多かったんです。

そこで、そういう広報ツールを作ろうと思ったのですが、福島県にも福島市にも、消費者向けに品種を詳しく紹介した資料がなく、ゼロから調べる必要がありました。

――品種紹介なら、写真を並べる・表で比較する、などが思い浮かびますが、なぜ擬人化に?

果皮や断面写真を並べても違いは伝わりにくいし、「硬い・柔らかい」などの表現も人によって感じ方が違う。その誤解が生産者へのクレームにつながることもあります。そもそも私自身、農業は素人ですし、どう表現したらいいかとても悩みました。

そんなとき、「ピーチホリデイ」のメインビジュアルでお世話になっているイラストレーターico.さんが、ご自身のSNSで桃の品種イメージを女性のイラストで表現されているのを見て「これだ!」と思ったのです。

ico.さんの描いた黄金桃のスケッチ

ico.さんの描いた黄金桃のスケッチ

それに、農家の方々から桃について教えていただくとき「この子は元気がよくてねー」など、みなさん桃をまるで自分の子どものようにお話しされるのです。

その姿にもヒントを得て、味や食感の違い、生産者からみたそれぞれの「推しポイント」を、人間の個性にたとえて表現してみようと考えました。

桃についての知識・意識のアップデートにも

――最初から女性のイメージだったのですか?

はい。桃から桃太郎が生まれる昔話があったり、桃の種は漢方薬として女性の疾患に効果があったりなど、女性と縁が深い果実ですからね。制作にご協力いただいた「ふくしま農業富女子会」(県北地方の女性農業従事者の有志団体)のみなさんに伺っても、桃は女性化がしっくりくるとのことで、迷うことなく女の子のイメージを膨らませ、icoさんにキャラクター化していただきました。

――できあがったキャラクターたち、とても可愛いですが、実はもう少し深い狙いもあるとか。

そうなんです。「ももまみれ図鑑」はただの可愛いキャラ本ではありません。そこには、生産者の方々の桃への愛情と、その裏にある苦労にも思いを馳せていただきたいという意図を込めました。

それぞれの「推しポイント」に加え、「こんなところが大変」という点を、あえて「育てにくさ」として記載しているのはそのためです。こうしたことも含め、読んだ方の桃に関する知識・情報を豊かにする一助になればと考えました。

実際、情報不足や誤解から来る消費者クレームは少なくありません。
たとえば、桃はとてもデリケートで、軽く握っただけでも指の跡が残るのですが、それを知らずに扱い、変色したのを「古い桃だ」と誤解されたり。また、桃は基本的に追熟しないで食べる果物ですが、日持ちすると思って冷蔵庫に入れっぱなしにして「傷んだ」と言われたり。

この図鑑が、果物という自然の贈り物に対する、消費者のみなさんの意識のアップデートにも役立ったら嬉しいです。

一期一会の出会いを楽しんで

――今年の保存版では紹介品種が8種から15種に増えました。

主要8品種に加え、生産者が推す7品種を新たに紹介しました。

福島でいちばん有名な品種は、なんといっても「あかつき」。ただ、桃は品種ごとのピークが短く、あかつきに人気が集中しすぎると、その時期の生産現場が収穫・選別・発送でパンクしてしまうという現実もあるのです。

あかつき以外にも収穫時期の異なる魅力的な品種がたくさんあることを知っていただき、シーズン全体をゆったり楽しんでもらいたいというのも、今年の意図のひとつです。

――ただ、県外から来る人にとってはレアな品種は入手が難しいのでは?

私たちは、桃との出会いは一期一会とお伝えしています。果物は天候に左右されますから「昨年この日に買えたから、今年も買える」とは限りません。だからこそ、まずはさまざまな品種の存在、それらの特徴やレア度を知識として持っていただき、そのときどきの「出会い」を楽しんでいただきたいと思っています。そうすれば、レアな桃に出会ったときの感動もひとしおですから。

――最後に、今年の図鑑を手にした人へのメッセージをお願いします。

キャラクターたちの個性を知り、あかつきだけでなくいろいろな品種を食べ比べて、ぜひご自分の“推し桃”を見つけてください!

「品種擬人化 -保存版- ももまみれ図鑑」は、JR福島駅西口2階にある福島市観光案内所やピーチホリデイ参加店で配布しています。
また、遠方にお住まいで実物を手に入れられないお客様も、ピーチホリデイ特設サイトからPDFデータをダウンロードしてお楽しみいただけますので、ぜひご覧ください。

品種擬人化-保存版- ももまみれ図鑑(外部サイト)

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「ふくしまピーチホリデイ2025」では、デジタルスタンプラリーを開催中です。参加店で飲食や宿泊、お買い物、体験をしたら参加店にあるQRコードを読み込んで、デジタルスタンプをゲットしてください。スタンプの数に応じて、抽選で温泉宿泊券、名産品などの参加店協賛品やその場で使える割引クーポンなど豪華賞品が当たるチャンス。
さらに、デジタルマップも導入され、お店巡りがよりスムーズに。

福島の桃を楽しんだら、ぜひデジタルスタンプラリーにもご参加ください。たくさんのご応募をお待ちしています!

ふくしまピーチホリデイ特設サイト(外部リンク)

福島市観光ノート編集部

福島市観光ノート編集部

福島市および近郊在住のライター、クリエイターで構成する編集チームです。企画、取材、撮影、構成、執筆、動画制作、地図製作、プレスリリースまでをこなします。DMO(観光地域づくり法人)のオウンドメディアとして、多彩な地域コンテンツでふくしまの魅力を様々な角度からお伝えしていきます。

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