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花見山と並び称される名園「浄楽園」で心洗われる静寂の庭歩き

五感で味わう、静けさが主役の日本庭園

浄楽園

「福島市にこんな場所があったなんて」
訪れた人がそう口にする、静けさと美しさに包まれた庭園があります。それが、在庭坂に広がる池泉回遊式庭園「浄楽園(じょうらくえん)」です。

敷地面積はおよそ25,000㎡。福島の風土に根差しながらも、京都の名庭を思わせるその佇まいは、ふとした瞬間に写真を撮りたくなるような魅力に溢れています。

今回は、現園主で植木職人の玉根直人さんにお話を伺いながら、その魅力を紐解いていきます。

浄楽園

園主の玉根直人さん(中央)、従業員の斉藤一男さん(左)、渡辺真美さん(右)

「福島にも名園を」兄弟の情熱が築いた庭

浄楽園

浄楽園の開園は1983年。きっかけは、初代園主・玉根元次さんが京都に住む弟を訪ねたことでした。そこで目にした庭の美しさに心を打たれ、「福島にもこんな庭をつくりたい」と、3年をかけて全国の名園を巡って準備を進めました。

造園を手がけたのは元次さんの弟・徳四郎さん。京都で長年、金閣寺など名だたる寺院の庭の手入れを任されてきた名匠です。
もとは農地や竹林だったなだらかな土地を、地権者と交渉しながら買い集め、時に交換しながら少しずつ整地。赤松や五葉松を移植し、十余年の歳月をかけて浄楽園を完成させました。園名の「浄楽園」には、「浄土=清く楽しい場所」であってほしいという願いが込められています。

「東の花見山、西の浄楽園」と並び称されることもあるこの場所。色とりどりの花が咲き誇る花見山が「華やかさ」の象徴なら、浄楽園は「心のやすらぎ」をテーマに、喧騒から離れて心を落ち着ける場所として静かに支持を集めています。

「父の元次はとても頑固で、決めたら必ずやり遂げる人でした」と語る直人さん。幼少期に整地中のブルドーザーに乗せてもらったことを、今でも鮮明に覚えているといいます。

池を巡って歩く回遊式の庭園

浄楽園

園内ガイドマップ

浄楽園は「池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)庭園」といって、池をぐるりと囲うようにして散策路の順路がとられており、右回りに巡ると最も美しく見えるように設計されています。

「順路はあくまで参考。自分の心のままに歩いてほしい」と直人さんは語ります。

鳥の声や風の音を聞いて、植物を眺めて、ただただのんびり歩く。ときには足を止めて花に見入ったり、気になる風景を写真に収めてみたり。日々時間に追われて忙しく過ごしている日常にはこんな時間はめったにないので、ちょっとした非日常感すら感じます。

春は桜、夏には菖蒲・アジサイ・睡蓮が咲き、秋には紅葉が園全体を包みます。吾妻山を背にした借景の美しさも圧巻です。

浄楽園

遠くに吾妻山が望めます

浄楽園

菖蒲が見ごろを迎えていました

特に人気のフォトスポットは、池の対岸から見る東屋。青い空が水面に反射した様もまた綺麗で、まるで絵画のような写真が撮れますよ。
園を一周するのにのんびり巡って10~15分ほど。撮影しながら歩くと、20~30分くらいはかかるかもしれません。

浄楽園

ここから撮影するのがおすすめ!

浄楽園の公式Instagramでは見ごろを迎えた季節の花々や植物が紹介されていますので、ぜひチェックしてみてください。

 
 
 
 
 
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茶屋の甘味でひとやすみ

浄楽園
園内散策のあとは、東屋近くの茶屋でひとやすみ。茶屋では無料のお茶のサービスがあります。

浄楽園
浄楽園

ほかにも、抹茶と和菓子のセット、抹茶ぜんざいやコーヒーぜんざい、ところてん、三色団子など、やさしい甘味が揃っています。お土産や「浄楽園素水観音」の御朱印も購入できますよ。

素水観音は、寛政六年からこの地で守られてきた野仏観音を、俳人である初代園主が引き継ぎ、自らの俳号「素水」にちなんで祀ったのだそう。

浄楽園

一番人気の抹茶 お菓子付き(600円)

浄楽園

「浄楽園素水観音」の御朱印(初穂料300円)

園内には時折姿を見せる「ねこ園主」のいちこちゃんも。直人さんのご自宅で飼われていたねこが、浄楽園の居心地の良さに惹かれて住み着いたのだとか。気まぐれにふらりと現れるので、出会えたらラッキーですよ。

浄楽園

日陰でお昼寝中のねこ園主いちこちゃん

最近では、映画や観光プロモーション動画の撮影も行われています。電線は地中に埋設され、極力人工物を置かない自然な景観は、まさにロケ地にふさわしい舞台ですね。

浄楽園

東屋は休憩所として開放しています

浄楽園

池の鯉に餌やりもできます(有料)

 

東屋周辺では、年に2回のハンドメイドイベントや茶会なども開かれており、縮小していた「あやめまつり」などの催しも、少しずつ再開される予定です。

「何もしない」を味わう贅沢

浄楽園
浄楽園は、日々の喧騒を忘れ、自分の感覚に耳をすませられる場所です。

「落ち着ける場所です」
「心がスッキリと洗われた」
「のんびりしていたら時間を忘れていた」

そんな訪問者の言葉が、この庭の本質を物語っていますね。中には東屋で4~5時間過ごしていたお客様もいるとか。

園内は隅々まで手入れが行き届いており、園主の直人さんをはじめ、従業員の皆さんがこの庭に込める思いが随所から伝わってきます。
福島市内にお住まいでまだ訪れたことのない方も、県外から訪れる方も、ぜひ一度、浄楽園に足を運んでみてください。

【基本情報】

名称 東北の名庭園 浄楽園 
開園期間 3月30日~11月30日 ※開園期間中は無休(冬季休園)
※夏季の高温時にはお客様の安全を考慮し、やむを得ず休園とさせていただく場合があります。休園情報は公式ホームページまたはInstagramよりご確認ください。
開園時間 9:00~17:00
入場料 大人 500円、子どもおよび障がい者 250円
駐車場 あり
※長距離を歩くことが難しい方は、東屋の前まで車で進入も可能です。(事前にスタッフに一声おかけください)
HP・SNS

公式ホームページ

公式Instagram

備考 園内は車椅子で巡ることができます
齋藤幸子(さいとうゆきこ)

レギュラーライター

齋藤幸子(さいとうゆきこ)

2010年に福島市に転入。WEB制作会社→銀行窓口業務→大学広報補佐を経験。2児の子育てをしながら、2019年より「福島に移住・転入した女性が、福島の暮らしの情報を発信するサイト tenten」でライター活動をはじめる。現在はフリーライターとして各種WEB媒体で執筆中。主に地域情報や生活情報の発信を行ってきたが、観光ノートのライターになり取材記事の沼にハマる。写真撮影、画像編集、マップ作成なども行う。

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