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家族で楽しむ“星空のテーマパーク”での特別な夜—— 浄土平星まつり参加レポート

心に輝く体験を!“天空の楽園”浄土平で感動のひととき

磐梯吾妻スカイラインのほぼ中間地点に位置する浄土平で、2025年5月24日(土)、ふくしまプレDC企画の一環として開催された一夜限りの特別イベント「浄土平星まつり」が開催されました。

標高約1,600m、日本一高い場所にある公開天文台を擁する“天空の楽園”浄土平で感動のひとときを過ごしてきましたので、その体験をお届けします。

特別バスで非日常へGO! 山道の旅もワクワクの始まり

福島駅から会場までは、イベントに合わせて特別運行された直行バスに乗車。なので、「山道を運転するのは自信がないな」と不安を感じる方でも、この日は心配無用。バスのシートに身を預け、車窓に広がる風景を眺めていると、福島の賑やかな町並みが徐々に深い森の緑へと変わっていきます。

この日の天気予報はあいにくの「くもりのち雨」。標高が上がるにつれて空気がひんやりとし、やがてバスは深い霧に包まれました。カーブを曲がるたびに「この先にどんな体験が待っているのだろう」という期待感に胸が高まります。

バスでの移動は約1時間。同乗していたご夫婦や友人同士の楽しげな会話からも、みなさんのワクワクした気持ちが伝わってきます。かつて運行されていた定期バスはコロナ禍で休止(※1)となっていたので、行くのが難しかった方にとって今回の直行バスはまさに救世主。

なかでも印象的だったのは、80代の女性が「なかなか来られない場所だから楽しみにしてきた」と語っていたこと。このバスが多くの人にとって“星空へのアクセス”になったのだと実感しました。

※1:2025年5月から「浄土平スカイアクセス」(事前予約制・1名から催行の直通バス)が運行を開始しています。詳しくは以下の記事をご覧ください。

次世代望遠鏡「Seestar」で21世紀の天体観測体験!

会場に到着してまず向かったのは、話題の次世代スマート望遠鏡・ZWO「Seestar」の体験講座。スマートフォンと連携し、見たい星を選ぶと自動で向きを合わせてくれるという、まさに未来型の望遠鏡。暗い屋外での複雑なセッティングも必要ないのだとか。

「アプリで見たい天体を選ぶだけで、望遠鏡が自動で動くんですよ」と説明してくれたのは、講座を担当した村上さん。「どんな仕組みなの?」と半信半疑で参加した私でしたが、実際にモニターに映し出された鮮明な星々を目にした瞬間、思わず「すごい!」と声が出ました。

誰でも“宇宙の扉”を開けることができるこの技術は、子どもたちにとっては新しい世界との出会いに、大人にとっては幼い頃に抱いた憧れが現実となる瞬間になるのでは。

さらにSeestarは、天体観測だけでなく、飛行機の撮影やバードウォッチングにも活用できるそうなので、その汎用性の高さにも驚かされました。

“本物”に触れる感動――浄土平天文台見学

続いて参加したのは、浄土平天文台のドーム内部見学ツアーです。靴を履き替え中に入ると、まず目に飛び込んできたのは存在感バツグンの巨大望遠鏡。直径5.5mのドーム内の、口径40cmのカセグレン式反射望遠鏡は、まるで天井を突き破るかのような迫力です。

しかもこの望遠鏡、展示用ではなく、今も現役で天体観測に使用されている本物だというからびっくり。一気にテンションが上がります。天文台スタッフの方の話に耳を傾けながら、望遠鏡の構造や星を捉えるための工夫にふれ、まるで自分が科学者になったかのような気分に。

ドームのカバーが動くと参加者からは驚きの声が上がり、望遠鏡の鏡部分が大人4人がかりでやっと運べるほどの重さだという話には、望遠鏡と宇宙のスケールの大きさを改めて実感しました。

星空が見えなくても楽しめる“星空テーマパーク”

天文台の迫力に圧倒された後は、レストハウスに移動して移動プラネタリウムを鑑賞。レストハウス内では天候に左右されず楽しめる工夫が随所に施されていて、この移動プラネタリウムもそのひとつ。星空を映すために使っているエアドームは、6層の布でしっかり作られているから、遮光対策もバッチリなんだそう。

約20分の投影では、美しいBGMに合わせて、この日晴れていれば浄土平から見ることができた星空が映し出されました。

既設のプラネタリウムと違って移動プラネタリウムは床が平らなので、寝転んで星を楽しむ子どもたちの姿にもほっこり。しかも、解説者との距離も近いので「北斗七星はどこかな?」との問いかけに「ここー!」と元気に指を差す女の子の姿も。星に親しむにはぴったりの空間でした。

また隣接するスペースでは、福島市を拠点に活動する音楽ユニット「8341(やさしい)」によるミニライブも開催。心地よいメロディーに身を委ねながら、心も体も温まるひとときとなりました。

食も星も楽しめる“星まつりグルメ”

会場のレストハウスでは、このイベントならではの特別メニュー・星まつり限定の特製ハヤシライスを提供。星の形をイメージしたターメリックライスに、コクのあるルーが絡みあう逸品で、家族みんなで美味しく食べられるやさしい味付けです。深いコクと、やわらかく煮込まれたお肉が口の中でとろけ、冷えた身体を内側からじんわりと温めてくれました。

食べる喜びと、イベントの特別感が一度に味わえる、まさに“星のごちそう”。 味も思い出も格別です。

また、屋外にはキッチンカーが並び、温かいドリンクやスイーツで冷えた体を癒してくれます。天候に関係なく楽しめる多彩なコンテンツが用意されていて、ありがたいと感じました。

音と光が織りなす心の星空――“星空の演奏会”

星まつりのもうひとつの大きな目玉は、ビジターセンターで開催されたバイオリン生演奏。演奏者は福島県出身のプロバイオリニスト草野美香さんで、宮沢賢治が作詞・作曲した「星めぐりの歌」のほか、「見上げてごらん夜空の星を」「瑠璃色の地球」「星に願いを」など、星や宇宙をテーマにした名曲の数々が披露されました。

この時はすでに外気温7度という寒さでしたが、ビジターセンター内の暖炉に火が入り、演奏に耳を傾けるうちに、まるで星が頭上にまたたいているかのような錯覚に陥りました。

また、会場には福島天文同好会による星空写真も展示され、星空スポットを巡って撮影された美しい作品はどれも息を呑むばかり。まさに音楽と写真が一体となり、聴覚と視覚の両方から宇宙を感じる贅沢な時間となりました。

残念ながら星空が見えない夜でしたが、バイオリンの音色と美しい星空写真が、私たちの心の中に輝く星々を灯してくれるような時間。胸の奥からじんわりと温かくなるような、そんな感動的な体験でした。

星空がなくても、輝く思い出を

「星が見えなくても、人はこれほどまでに感動できる」

この星まつりは、単に星を見るだけではなく、宇宙・自然・人とのつながりを五感で感じる“心の祭り”でした。子どもの頃に抱いた宇宙への憧れが、最新技術や音楽、美味しい料理といった多彩な要素を通して、再び心の中で輝きを取り戻したのです。

そして今、新たな願いが生まれました……。次回は、晴れた夜空の下でもう一度参加したい、と。

星が見えるかどうかは天気次第。でも、それ以上に価値のある思い出が、きっとあなたを待っています。次の浄土平星まつりには、ぜひ足を運んでみてください。夜間は夏でも冷え込みますので、防寒対策はお忘れなく。

浄土平で、あなたの心にも特別な一夜を刻んでみませんか。

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