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地元民も集う宿泊施設オーナーは世界を旅するサイクリスト【伊藤篤史さん / ラウニオン】

「心に残る、福島ローカルな旅を」

あなたの一番心に残っている「旅」はどんなものですか?

綺麗な景色、楽しいアクティビティ、そして人との出会い。

今回は福島市中心部に昨年オープンした宿泊施設と、世界71ヵ国を旅して回った若きオーナーをクローズアップしました。世界中を旅した経験から今の福島に必要だと思うものは一体何なのか。彼が行う、福島愛にあふれる取り組みも一緒にご紹介します。

地元客も旅人も集結する『ラウニオン』の魅力

福島市大町のパセオ通り周辺は、小さいけど個性豊かな店舗が立ち並び、福島のユニークさをコンパクトに閉じ込めたような味のある地域。

この場所に建つ築50年以上の雑居ビルが、2021年4月、新たにハイセンスな宿泊施設『La Union(ラウニオン)』として生まれ変わりました。

立ち上げたのは、オーナーの伊藤篤史(いとう・あつし)さん。

2階にカフェ、3階に客室を備え、福島の旅の玄関口として人々を迎え入れています。

伊藤さんは、世界中を自転車で旅した異色の経験の持ち主。

「現地の日差しを浴びて、その土地のものを食べる。自転車の速度だからこそ感じられる世界の空気や本の中で見ていた先住民の生活がそこにあるのを実際に見たら、もっと見たくなって。結局、トータルで4年半、71ヵ国を巡りました」。

世界最南端の街ウシュアイアにて。左から3人目が伊藤さん。同じく自転車で旅する仲間が世界中から一堂に会した

旅先では宿泊施設やバーなど、拠点となる場所で情報を得たり、同じような仲間と共に話に花を咲かせていたそう。「福島にもそんな場所があったら」との思いで、ラウニオンを立ち上げました。

階段を上ると2階にラウニオン入口がある

大学卒業後、上場企業のシンプル系専門小売企業に従事していた経験がある伊藤さん。その経験はラウニオンに見事に生かされています。自分たちでリノベーションした内装は、雑居ビルの持つ無機質さを生かしながらスタイリッシュな空間に仕上がっていて、とにかくおしゃれ!

カフェスペースの木質感あふれる雰囲気が、旅人たちの緊張した心をゆっくりと解きほぐしてくれることでしょう。

 

 

エスニックランチで海外旅行気分♬

ランチ営業も行っており、食事だけの利用も可能です。

メニューは、伊藤さんが旅の道中で食べた世界の大衆料理。エスニック料理初心者でも食べやすいよう、日本人の舌に合わせてアレンジしています。なかなか海外旅行しづらいご時世ですが、ここに来ればいつでも外国の風を感じることができますよ。

宿泊者ラウンジとしても使われる2階カフェ。街中で働く人やショッピングに来た人たちとのふれあいの場にも

【ランチ】11:30~14:00
【ディナー】16:00~22:00(フードLO21:00、ドリンクLO21:30)

 

3階は宿泊者のプライベートスペース

客室は、個室(ツイン・ダブル)4部屋の他、最大8名まで利用可能な相部屋(ドミトリー)を1部屋備えています。3階は2階とはまた違った、洗練された空気感が漂います。

ここでは最先端のIoTを使い、ルームキーから照明、カーテンの開閉まで、スマホひとつで簡単操作。

古いビルをリノベーションして新しいものと組み合わせることで、快適でスタイリッシュな空間が生まれました。シャワーやトイレは共同ですが、低コストで宿泊できることや、データ制限のない5G回線に対応しているなど、ハード面がかなり充実していますのでワーケーションプレイスとして長期利用を希望されるお客様もいるそうです。

  

 

福島の観光資源は、自然・食べ物・人の良さ

「福島の人たちは純粋で優しい人が多い」と、伊藤さんは地元に戻ってきた今、改めて感じているんだとか。「だからこそ、“人”との出会いが福島に行く理由になると思っています」。

確かに地元の人々との触れ合いは、旅の醍醐味のひとつ。豊かな自然、おいしい食べ物と共に三拍子そろっていたら充実度は非常に高いです。

そこで思い付いたのが「ウニコイン」。ラウニオンにチェックインする際、宿泊客にこのコインを渡し、外に出かけるきっかけ作りをしています。

街中で使えるウェルカムコイン

ウニコインとは、街中で使えるウェルカムコインです。数カ所ある指定の飲食店で提示すれば、ドリンクが一杯無料に。つまり、ラウニオンからのウェルカムドリンクの役割を含んでいます。有効期限はありません。2枚集めると、ラウニオンの朝食と引き換えられるポイントカード機能も持たせています。

コインのデザインは、福島に昔から伝わる伝説(下記参照)をイラスト化したオリジナルのもの。吾妻山の雪うさぎや信夫山の大わらじ、「福島」の語源となった吾妻おろしが吹きつける様子など何とも愛らしく、伊藤さんの福島愛がひしひしと伝わってきます。もったいなくて使えない人もいるのではないでしょうか。

信夫(しのぶ)郡は昔、見渡す限りの湖で真ん中に信夫山(しのぶやま)があった。この山には吾妻(あづま)おろしが吹きつけていたため、吹島(ふくしま)と呼ばれるようになった。
その後、長い歳月を経て、湖が干上がり陸地ができ、次々と集落が生まれた。吹島は風が吹きつけることをきらって、吹を福とし、福島と呼ぶようになった。
                             伝説集「信夫伊達風土記」参照

ウエルカムドリンクを飲むためにわざわざ場所を変えるのは、面倒と感じる人もいるかもしれません。しかし、あえてそうすることで“泊まるため”に訪れた場所をより楽しむチャンスができます。

「飲んでいる店で隣の人と仲良くなって、2軒目に行った…というお客様も少なくありません(笑)。旅のスケジュールをあらかじめビッチリと決めるのではなく、地元の方におすすめを聞いたりしながら良い意味でその土地の人々に流されてほしいなと思っています」

宿泊者用に電動自転車の貸出も。レンタルスマホ、ヘルメット、ライト付き

ラウニオンを拠点として、周辺の飲食店を回ったり、福島市内観光を楽しんで欲しいと考えている伊藤さん。現在は、ウニコインで街中の飲食店と協力し合って福島の良さを知ってもらうよう励んでいますが、ゆくゆくは市内郊外へのアプローチも考えているそう。

「果樹園で収穫体験もして欲しいし、おすすめしたいことがいっぱいあります」と、語ってくれました。

その柔和な笑顔の奥には強い意志を感じ、これからの活躍を思うと聞いているこちらもワクワクしてしまいます。

これからのラウニオンが多くの人々にとって、“帰りたい場所”になっていくのが楽しみです。

La Union(ラウニオン)

所在地 福島県福島市大町1-12 長谷川第2ビル
Tel 024-572-5838
Lunch 11:30 ~ 14:00
Dinner 16:00 ~ 22:00 (フードLO 21:00 , ドリンクLO 21:30)
HP https://launion.page/
facebook https://www.facebook.com/launifuku/
Instagram https://www.instagram.com/launifuku/

 

木俵麻樹子(きだわらまきこ)

レギュラーライター

木俵麻樹子(きだわらまきこ)

福島市出身。郡山市在住。出版社や企業の広報部などで経験を積み、結婚を機に夢だったフリーライターに転身。現在は、県内で販売している福島の情報誌や観光情報WEBマガジンなどにも執筆している。お店や宿の紹介から、住宅関係の記事までオールジャンルの記事に対応可能。パワフルな三兄弟の母として、ママ友もゆるっと募集中♪

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