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「パイの奪い合いではない」新たな販路に挑戦〜ふるさと納税返礼品事業者【株式会社幸青果(みゆき)様】

福島市でオンライン販売に取り組む事業者特集 Vol.1

コロナで先が見えない飲食、観光、農業などの地域密着型オフラインビジネス。福島市観光ノートでは、その状況を乗り越えようと、地域産品のオンライン販売に取り組む事業者を特集いたします。

今回ご紹介する事業者様は、青果卸業を行う株式会社幸青果(みゆき)さんです。

これまでは福島市内と二本松エリアの飲食店や旅館等に野菜や果物を卸すオフラインビジネスをされてきた幸青果さんですが、新型コロナウイルスの影響を受け、2020年の秋頃よりふるさと納税制度を活用してオンラインでの取引をスタートしました。

その結果、「自分たちも予想していなかった」という程の大きな成果を出されています。

これまでネットの知識や経験はゼロ。いったいどんな取り組みをされたのか、代表取締役の齋藤義人(さいとう・よしと)社長とスタッフの皆様にお話を伺ってきました!

新型コロナが及ぼした大きな影響

株式会社 幸青果の齋藤社長とスタッフの方々

— まず最初に、幸青果さんのコロナ前までの業務を教えてください。

齋藤社長:福島市内や二本松市を中心に、飲食店や旅館、病院などへ野菜や果物などをお届けしていました。

—新型コロナウイルス感染症の拡大や対策の強化などにより、どのような影響がありましたか?

齋藤社長:まず大前提として、コロナ云々の以前に青果業界は、残念ながら衰退の一途を辿っています。昔は生野菜の時代でしたが、冷凍食品を始めとした昔はなかった形態のものが出てきて、食品に対する生野菜のシェアが業界全体的に下がっています。

そんな中で新型コロナ感染症の拡大や対策の強化などによって、取引先であったお店や旅館が営業できない状態になったり、閉店してしまったり…こちら側がどんなに安いものを仕入れても、どんなに良いものを提案しても、もはや不要の状態が起きてしまいました。

正直、今まで味わったことがない程の恐怖を感じる程、注文が減っています。

ふるさと納税制度を活用した新たな取り組み

— そんな大ピンチの中、挑戦した新たな取り組みについて教えてください。

齋藤社長:本来であれば、営業して新規の飲食店さん等の取引先を開拓するのが流れですが、実際のところ、それでは福島市という決まったパイの中でお客さんを取り合う状態になってしまいます。相手は一緒に頑張っている仲間のような同業者なので、それはとても辛いことです。

かといって大手のネットサイト等に出店するのはハードルが高く、価格競争になってしまうのも避けたい部分ではありました。

他に何かできることがないか…色々と探していく中で出会ったのが、福島市が募集していた「ふるさと納税返礼品協力事業者」という形でした。

昨年の11月頃からふるさと納税の返礼品を出し始めましたが「こんなに来るものなのか」と驚く程の注文が入っています。とりわけ福島市の名産品である桃に関しては、青果市場でストップがかかる程の量でした。

※ふるさと納税とは、故郷や応援したい自治体を選んで寄付をすることで、税金が安くなり、更にお礼の品までもらえる、寄付する方もされる方も、双方が嬉しい地域応援の仕組みです。

ふるさと納税の詳細はこちら

※ふるさと納税返礼品協力事業者とは、ふるさと納税制度で福島市に寄附をしてくださった方に贈呈する返礼品の提供事業者のことです。

ふるさと納税返礼品協力事業者
詳細はこちら

「ふるさと納税返礼品協力事業者」の魅力

—ふるさと納税返礼品協力事業者として商品を提供してみて、どのような魅力を感じていますか?

齋藤社長:色々とありますが、番は価格の勝負ではなくとも全国の方々に福島市の良さをお届けできる点です。

また、一般的なオンライン販売であれば自分達で行うはずの返礼品の発注・配送手配、顧客・配送に係るデータの管理等の業務を福島市(市が委託している観光コンベンション協会)が行ってくれるので、そこに時間と労力を取られることなく、本来かけたい商品の部分に力を注げる点もとても有難いです。

オンラインに対して高いハードルを感じていましたが、その部分は市が対応・応対してくれるので、とても恵まれた環境だと感じています。

初めての挑戦と高い壁

ふるさと納税で人気の旬の旬のお野菜セット

ふるさと納税で人気の旬の旬のお野菜セット

— ふるさと納税返礼品協力事業者として商品を提供してみて、大変だった部分はありますか?

齋藤社長:とても恵まれた環境とはいえ、初めてのことばかりなのでやはり一から十まで大変です。返礼品は福島市のイメージに直結する責任があるので、事業者としての基準はもちろん返礼品としての基準も満たす必要があります。

また、果物等は採れる時期が決まっているのでふるさと納税では先行予約という形で注文を受けていますが、今まではFAXを貰ったら翌日に届けるという形の販売をしており、何ヶ月も先を見越した販売をするということがなかったので、その点も最初は大変でした。

他にも、ふるさと納税は地場産品に限りますので、野菜セットやたくさんの注文が入っている果物などは、福島市で採れたものだけを集めるのも簡単ではありませんでした。

どんな分野でも業種でもそうだと思いますが、初めての挑戦でしたので、私たちにとっては、かなり高い壁でした。

地域と野菜への愛情たっぷりの齋藤義人社長

今後の目標と展望

— これからの展望や目標を教えてください。

齋藤社長:まずは、先行予約で注文が入っている商品を、最後の1つまできちんと送り届けることです!その為に、市場や農家さんと協力しながら品物を集めています。

正直、注文を受けたのは私たちの力ではありません。なので今年分を送り切り、来年またリピートしてもらえるかどうかが鍵かと思っています。

野菜や果物をネットで購入する時代になりましたが、農家さん達の中には、ネットで苦労する人、売りたいけど売り方がわからない人がまだまだ沢山います。リピートが来たら、農家さんの新規開拓をして、そういう方達と協力していきながら、今後も福島市の美味しい野菜や果物をお届けしていきたいと考えています。

最後に

最後に、同じような苦しい状況にある事業者さんにメッセージを求めたところ「あいうえおしか打てない私でもできました(笑)」とインターネットやオンライン化に高いハードルを感じている方にも希望となるお言葉も頂けました!

新型コロナウイルスの影響は私たちの生活を一変させる程大きなものであり、そのため様々なピンチを迎えている方が沢山いらっしゃいます。

そんな時にできることを考え、行動をし続けたからこそ、幸青果さんは「ふるさと納税の返礼品」という、新しい形を見つけられたのだとお話をお聞きして思いました。

パートさんが主体となり女性が活躍している幸青果さんは、笑い声が響き合う温かくて活気のある職場環境で、取材をしている短時間の中でも、その空気感を味わうことができました。

幸青果の皆様、ありがとうございました!

事業者 株式会社幸青果
所在地 〒960-8253 福島県福島市泉字清水田31−2
電話番号 024-597-8252
ホームページ https://ilovefukushima.jimdofree.com/

【取材/文】勝村亜沙美

番匠亜沙美

レギュラーライター / 動画クリエイター

番匠亜沙美

仙台市出身。出産を機に時間や場所に縛られない仕事がしたいと、2016年に介護職から一転、未経験ながらフリーライターの活動を開始。2018年に福島市に転居、2020年公募で観光ノートのライターとなる。YouTubeチーム発足後は動画編集やサムネ制作、DTPなど幅広く活動。相手の立場にたった感受性豊かなコンテンツ制作を目指している。

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