まだまだ続くデリシャスな福島の桃！秋の「ゆうぞら」はもう食べた？

果物王国ふくしまがお届けする、初夏から続いてきた桃。今年はソフトボール米チームの監督の「福島の桃、デリシャス」の発言で一気に有名になりました。

でももう9月だし桃のシーズンは終わっちゃった…と思った方、ご安心ください。福島の桃は、まだまだオンシーズン！9月は晩生種（収穫時期が遅い品種）の桃の収穫時です！秋の桃は固めで糖度が高く、とっても美味しいんですよ。

今回は、そんな晩生種の中でも特におすすめな「ゆうぞら」という品種について、福島市飯坂町にある「やまこう紺野果樹園」の代表 紺野孝一さんにお話を伺ってきましたのでご紹介します。

マキとチヒロのレポートをまずはご覧下さい。

「ゆうぞら」ってどんな桃？

「白桃」と「あかつき」を交配してできた品種「ゆうぞら」は、8月中旬から9月上旬頃に収穫される晩生種で、夏の終わり頃から店頭に並びます。

晩生種の中では最も多く生産されていますが、スーパー等の店頭に並ぶ際は品種名が書かれていないことも多く、気づかずに食べている方も少なくないかもしれません。

味の特徴はというと、果肉は固めできめ細かな上品さがあり、口当たりもなめらか！酸味が少なくて糖度も高く、食べた後も口の中に甘さが残って余韻に浸れる美味しさがあります。

数ある桃の品種の中でも「１番美味しい」という農家さんが多いほど、人気の品種なんですよ。

雨との戦いで農家さんが考えた苦肉の策とは？

繊細で少しの圧迫や押し傷でも変色してしまう桃。そんな桃の天敵の１つが“雨”です。「雨に当たると桃に雫の跡がついてしまい、そこに太陽の光が当たると茶色く変色してしまうんです。」と紺野さん。

実は、愛情をたっぷり込めて1年間大切に育てきたにも関わらず、収穫前に変色してしまった桃は“規格外扱い”となり、味に問題がなくとも店頭等に出荷することができなくなってしまうのです。

特に「ゆうぞら」の収穫時期は秋口なので、秋雨前線が停滞して毎日天気が芳しくなく雨が多い時期です。そんな中で、雨による被害をどうやったら少なくしていけるか…。

考えた末に紺野孝一さんが行き着いたのが、同じく雨に弱いさくらんぼ栽培からヒントを得た「桃のビニールハウス栽培」でした。「ビニールをかけたことによって、雨が当たらなくなり桃を傷つけないというメリットの他に、地面に雨が当たらないことで、水がもらえず、さらに甘味が増すという効果もあるんです。」と紺野さん。

果物は「葉」が命

また、やまこう紺野果樹園さんの桃畑は、他の桃畑と比べて葉が生い茂っている印象を受け質問してみると、

「桃に限らず全ての果物は、葉が命！葉の枚数が多ければ多いほど、そして１枚の葉が大きければ大きいほど良いんです。それによって実がついた時に、葉から栄養を吸って実に栄養がいくので、実が大きくなるんですよ。」と紺野さん。

葉があると実が影になってしまい太陽の光が当たりづらくなるというデメリットもある中ですが、それは日々観察しながら、必要に応じて葉を１、２枚千切ったりしながら大切に育てているんだそうです。

紺野さんに限らず、果樹農家さんは美味しいフルーツを届けるために皆さんそれぞれ工夫をされているのです。その努力には本当に頭が下がります。

夫婦二人三脚での桃育成！2021年の生育状況は？

最後に、今年の「ゆうぞら」の生育状況を伺ったところ、

「例年より10日程早く収穫時期を迎えています。」と紺野さん。

桃は花が咲いてから約150日で出荷できるそうで、春先の花が咲いたのが10日くらい早かった為、収穫もその分早く迎えているそうです。

畑の手入れから収穫、桃の選別、販売まで全部ほぼご夫婦だけでやっているやまこう紺野果樹園。今年の夏は長雨や強風等の気候変動も多く、安定した美味しさを出す為に大変苦労されたそうです。

自然を相手にしながら、晴れの日も、雨の日も、風の日も、大切な果物の成長を手間暇かけて、見守り続けているお二人。

「果物は生き物です。人間と同じように、愛情をたっぷり込めて一つひとつ大切に育てると、とても美味しく育ちます。」と話してくれる姿がとても印象的でした。

今回ご紹介したのは、やまこう紺野果樹園さん！早朝からお昼前まで収穫を行い、直売は午後1時ごろからスタートしているそうです。事前に販売時間を確認したい方や電話で発送依頼をしたい方は、携帯電話へ連絡を入れてみてください。