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ふくしまピーチホリデイ2023始動 企画運営のおはなし
世帯消費リーダーの女性視点を取り入れよう!


こんにちは。
ふくしまピーチホリデイやアップルホリデイの企画・運営を行っている金澤です。
昨年はたくさんの方にフルーツホリデイをお楽しみ頂き、アンケート回答にもご協力を頂きまして誠にありがとうございました。
皆さんと一緒にフルーツホリデイを育てていきたいと考えておりますので引き続きよろしくお願いいたします。
今回はフルーツホリデイの企画運営側のお話をご紹介させていただきます。
なぜ女性視点を取り入れるの?
協会では、事業者と生産者双方から困りごとなどのお話を伺い、課題解消をしながらお客様にお楽しみいただける観光コンテンツへ磨き上げを行っています。
生産者の皆さんが愛情たっぷりに育てた福島の宝である果物や、事業者さん達がお客様をおもてなしするために腕によりをかけた素敵なメニュー、商品コンテンツがたくさんあるのですが、どのようにご紹介すればたくさんのお客様に楽しんでいただけるかを日々検討しております。
そこで昨年から当会ではプロモーション施策の中に『女性視点マーケティング』を取り入れる事にいたしました。
例えば、お母さんと買い物に行くと「買い物長いな〜。」と思った事はありませんか?
それはお母さんが家族のことを次々に頭に思い浮かべ、それぞれの使用場面を想像しながら必要な物を検討しているからだそうです。
日本では、家庭において女性が世帯消費の8割以上を握る消費リーダーだと言う事が女性視点研究の第一人者である株式会社ハー・ストーリィの調べでも明らかになっております。最終的にお金を出すのが男性だとしても、9割口を出すのが女性なのだそうです。確かに身に覚えが。。。


それほど消費に影響力を持つ女性が、何を考えどう行動するのかをハー・ストーリィから協会職員が学び、その内容をもとに事業者さん達へ商品開発のアドバイスや企画運営・プロモーションなどを行うように心がけています。ここでいう性別による消費行動は、脳の構造が影響しているので、男性脳を持った方を男性、女性脳をもった方が女性としております。
冒頭に掲載されているフルーツホリデイのメインビジュアルデザインやカラーも、この女性視点の考え方をベースに、イラストレーターのico.さんにご助言を頂きながら細かな部分まで検討しました。フルーツホリデイでどんな事が楽しめるのか、誰とどんな風に楽しめそうか、お客様が訪問前でもイメージが膨らみやすいようにと考えました。
今回はこの女性視点の取り組みの1つ、転入女性の視点でお話を頂いた意見交換の様子をご紹介いたします。
これまで観光ノートでは完成したメニューのご紹介が多かったので、今回は開発中や開発に入る前段階のお話をお楽しみください。
商品や体験コンテンツ1つとっても、事業者さん達は地域の方々や来訪者の方々の声を大事にして、より良いものを作ろうと奮闘されています。その事業者さん達の力になりたいと思っている方も多く、たくさんの人たちの想いで福島の魅力が形になっていく様子をご覧いただけたら嬉しいです。
一般社団法人tentenでゆるりとつながる転入女性
(一社)tentenは転入女性が抱えるお悩みに寄り添いたいと、代表の藤本菜月さんがご自身の経験をもとに立ち上げた団体です。
旦那さんの転勤で福島へ転入された女性たちが、地域とつながるきっかけや仲間づくりをしたり、自宅でできる仕事を見つけられるなど、転入女性が欲しい情報や場の提供を行っています。
転入女性のメンバーは、tentenの活動に参加された事がある方々を指し、会費制や会員制などではなく、参加したいときにどなたでも気軽に参加できるようなゆるりとつながれるコミュニティ。このゆるいつながりを意識したコミュニティの在り方も、女性視点ならではですね。
tentenメンバーは、様々な場所に住んで来た方々。「普通の主婦です。」と仰る方も多いですが、知らない土地に引っ越して住むという事がすでに物凄いノウハウや知見を持っている方々!と藤本さん。tentenメンバーはみなさん福島が大好き!その転入女性の視点をまちづくりに活かしたいという藤本さんの想いを伺い、女性視点でアドバイスを欲しがっている事業者さんとお繋ぎすることになりました。
▼代表の藤本菜月さんへのインタビュー記事はこちら
https://www.f-kankou.jp/pickup/25893
高湯温泉 安達屋旅館のふるさと納税返礼品プランのモニターとして
フルーツホリデイ連携企画で、果物を使ったふるさと納税返礼品のプランが完成し、モニターさんにご意見を頂くことになりました。
今回は小さなお子さんがいるママモニターさんも多く、高湯温泉は“秘湯” “子連れには敷居が高い”と思っていて来たことがなかったそうで、転入後1年から3年目にして初高湯の方も。一方で、子育てがひと段落しているモニターさんは、高湯温泉に惚れこみすぎて週1ペースで通っている方もいらっしゃいました。


今回はソムリエの資格を持つ安達屋さんが、ふるさと納税返礼品として日帰りでワインと温泉を楽しむランチプランを作られ、そのプランのモニターとしてtentenメンバーに参加していただきました。
▼tentenの携わったふるさと納税返礼品の「ワインと温泉を楽しむランチプラン」の詳細はこちら。
上質なローカルワイン体験「温泉×ワインの一日」が返礼品に登場。
※こちらの安達屋日帰りプランは返礼品として現在ふるさと納税のサイトに登録されております。


「義両親にプレゼントしたい。」
「お酒がそれほど強くないけど参加したい人や、女性の場合は授乳後にお酒が弱くなる方もいるので、5品中いくつかは食事に合うノンアルコールも選べると凄くありがたいと思う。」
「以前働いていた東京の職場にお酒好きの先輩がいたので絶対喜ぶと思う。ぜひ紹介したい。」
「首都圏などから日帰りプランに参加すると買い物の時間があまりとれないので、旅館にいながらにして今回飲んだワインやおすすめのおつまみセットなどが買える仕組みまで整うと、自宅に帰ってからもゆったりと旅の余韻に浸ることができそう。」
など、まさに女性視点で様々なシチュエーションを思い描きながらアドバイスをいただけました。
初高湯メンバーは、「内風呂も本当に温泉が青い!!!!」「子供を預かってもらって自分も日帰りランチに来たいぐらい。」「福島市民なのでふるさと納税だけではなく一般向けにも販売してほしい。」など高湯や旅館の魅力にもすっかりハマり、「自分のSNSで発信しても問題ないですか?」と嬉しいお話もいただきました。
家族やお友達からの情報は信頼もあり受け入れてもらいやすいため、クチコミやご自身のSNS等で発信して頂けるのは本当にありがたいです。事業者さん達はなかなかSNS発信まで手が回らなかったり、自分では気づかなかった視点で発信してくださったりするので、事業者さん達からも大変喜ばれています。
フルーツホリデイでお店に行かれたら、ぜひ遠慮せずにSNSやクチコミで大切な方へお店の情報をシェアしていただけるとありがたいです。
吾妻山麓醸造所で造り手から話を聞く


安達屋さんでお食事とのマリアージュを楽しんだワインは全て吾妻山麓醸造所で造られたものでした。
双葉町で被災した社長の横山さんが福島市でワイナリーを立ち上げた想いや、安達屋さんで飲んだワインがどのように造られているのかを作り手の牧野さんから伺い、いつの間にか皆さんの手にはお土産用に購入したワインが握られていました。
旦那さんに今日の素晴らしい体験を共有し、おうちでも余韻を楽しみたいという方も。
場所が郊外なので運転手が必須なことから、ここでもノンアルコールのワイン需要も話に上がっていました。
選べる選択肢が多いのはありがたいですね。
飯坂や福島市を盛り上げたいふくしまRISE
意見交換会では、飯坂温泉で旅館を経営している方や、果樹園を経営している方などが出資して立ち上げた『合同会社ふくしまRISE』で作った桃や梨のビール、商品陳列について、飯坂についての話などで盛り上がりました。
ふくしまRISEは旅館経営の男性が多いメンバー構成で、旅館側の視点に偏りがちなため、利用者視点や観光客視点の意見が欲しかったのだそうです。そこで、飯坂まちあるきツアーも開催したことがあるtentenの皆さんにご参加いただきました。
「個包装で日持ちがする洋菓子があると良いなと思います。実家に帰省する時の手土産にしやすいので。」
「桃の町と謳っている割に桃を食べられるお店が少ないと思うんです。」
「飯坂のまちなかは歩きやすいので、食べ歩きできるものがあると嬉しいです。足湯に入りながらとか楽しめるし。」
「飯坂のお土産をまとめて買える場所があると助かります。どこに買いに行ったら良いかわからなくて。」
「飯坂は歴史が残るまち。もっと歴史を活用したらよいと思います。美容室が多いという町の特徴も、かつて芸者が多くいたからだと聞きました。男性社会だった飯坂の歴史も、それはそれで非常に興味深く、知るきっかけになるツアー等とても興味深いです。」
「飯坂電車が素敵です。2両しかなく、無人駅もあって面白い。大阪では体験できない魅力がたくさんありますよ。車掌さんが1人でなんでもこなしていて、困っているとすぐに手伝ってくれて人が温かいなと思います。」
「駅でいい電のチケットを購入する時間がなくて、電車に乗った後に車掌さんからチケットを購入したことがありました。おもむろに車掌さんのバッグからチケットが出てきて、パンチのようなものでガシャンと切符を切る姿に、ポーランドから来た息子家族が興味深々で何枚も写真を撮っていました。Suicaじゃないが故の面白さが飯坂には残っていますね。」
といった話が出て、ふくしまRISEのメンバーからは目からうろこな話ばかりだったそうです。
「いい電はお客様のことを考えたらSuicaを使えるようにするべきじゃないかと思っていたのですが、そんな見方があるとは思いもしませんでした。」
「男性中心だった飯坂の歴史は女性に敬遠されるだろうと思っていたので、歴史的背景を知る事も面白いということにとても驚きました。」
「お土産品については、旅館の売店は縮小傾向にあるんです。お酒を売るには酒類免許が必要だったりといろいろな規制もあって、なかなか物販の壁は厚く、自分たちで作った桃のビールなどは宿泊プランに入れればご提供できることまではやってみてわかりました。」
「旅館側でお土産品も販売して完結してしまうと温泉街への周遊を促せないため、敢えて売店の規模を縮小するようになってきたんです。旧堀切邸などでお土産品がまとまって買えると良いですよね。」
など、お互いの立場から意見を述べ、それぞれが感じている課題もわかってきたため、非常に有意義な時間となりました。
tentenメンバーは転入先の福島を楽しもうとしている方々ばかりなので、積極的に良い所を発見する名人揃い。よその地域も知っているからこそ、地元にいると気付かない福島の魅力に気づきを与えてくださっていました。
この意見交換がきっかけで、新たに面白いフルーツホリデイコンテンツも生まれそうですね♪
転入女性視点で集めた魅力的な福島の商品が並ぶent
tentenは大町の一角にentというお土産物屋さんを運営しています。転入女性視点で「これをぜひ紹介したい!」という商品を店頭で販売しています。増えすぎてしまったイノシシやシカの皮で作ったアクセサリー、規格外の福島の果物で作ったグラノーラやジャム、ママ達が在宅ワークでママ目線で作る会津木綿のママと子供向けの洋服やアクセサリーなどなど、作られた経緯にストーリーがあり、作り手さんの想いがたっぷりつまっている共感型の商品ラインナップが特徴的です。


ふくしまRISEの方々に、店頭のディスプレイ(商品紹介)なども実際に店舗で見て頂きました。tentenメンバーが作った熱量たっぷりの商品紹介POPにも感銘を受けていましたよ。作り手さんに「このお店に置いてほしい」「卸したい。」と思ってもらえる工夫が随所に施されていると感じられたそうです。ぜひ皆さんもentに足を運んでみてくださいね。
今回の意見交換の場はお互いに有意義な時間となり、
引き続き意見交換の場を定期的に開催してほしいと、どちらも熱望されていました。
tenten、ふくしまRISEの両者から目が離せませんね♪
それでは引き続きフルーツホリデイをお楽しみに!